イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
The Imitation Game
2014年制作 2015年日本公開 115分 イギリス・アメリカ
監督:モルテン・ティルドゥム
キャスト:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、ロリー・キニア、アレン・リーチ
第二次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリングはドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。
高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが…
昨年から観たい、絶対観る、観なくては!と思っていた作品。アカデミーにノミネートされて余計に観なくては!と燃えていた作品。
しかし想像の上をいったね!めっちゃ良かった!
この時期の作品は昨年とするのか、今年とするのか悩むところだけど、今年観た作品の個人ランキングの上位に来ると思います。
楽しいもあり、クスッとくるところもあり、グッとくるとこもあり、でも寂しくて切なくてやるせない。
正直観終わって「この感情は何と言えばいいのか…」と思った。
でも心を震わすことを感動と呼ぶのなら、この作品は一言「感動の傑作」これでいいと思います。
ここ数作「うーん」が続いていたので余計に「良い映画を観た!!」と心から思います。
個人的に物凄くオススメの作品です。
映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』予告編 - YouTube
以下ネタバレあり
アラン・チューリングは実在する人で、この話自体も実話に基づいております。
って言っても私はチューリングについてそんなに詳しくないのでどこからが創作なのかわからないですが。
しかしカンバーバッチは天才役が似合うな。ホーキングでもそうだったけど、あ、ホームズもそうか。ああいうちょっと偏屈な感じの天才が抜群ですね。
そしてゲイの雰囲気も完璧。チューリングがゲイということは知っていたのですが、カンバーバッチの演技はそれを知らなくても自然と「ああゲイなんだな」って思わせるものでした。凄い。
そしてヒュー演じたマシュー・グードもゲイなんじゃないかと深読みしましたがそんなことはなかった(笑)これは「シングルマン」のジムの影響だな(笑)
でも時代とは言え同性愛が犯罪というのは観ていてなんか切なかったな。しかも禁錮か女性ホルモン剤投与の上での保護観察って…何とも言えない…
差別って後々観ると本当呆れることが多いのに、なぜ当時はそう頑ななのかね。
そういや結構ゲイ関係の作品が多いのは他意はないです。
ただ淀川さんの言うように「男しか出てこない映画に駄作なし」と思うのでそっち系の率がちょっと高いのかもしれない(笑)
チューリングの上司からの嫌われっぷりも観ていてなんかモヤモヤ…いや、チューリングが嫌われる理由は嫌という程わかるけど(笑)
なんか本当にチューリングの人生がやるせない感じで、でもヒュー達と分かり合えたり、ジョーンのアドバイスに素直に従ってリンゴを配ったり、楽しそうなシーンもあって気持ち的には救われたというか、ずーっと悲しいやるせない感じじゃなかったから良かった。
でもエニグマ解読!やったー!からのズーンが酷くて…
ピーターのお兄さんの件から始まって、チームの解体(仲間たちも会ったことない関係だと念押しされるし)、からの同性愛で逮捕、女性ホルモン剤投与で科学的去勢。
どんどんズーン…
最初のシーンで青酸カリが出てくるから自殺エンドは予測の範囲内(チューリング本人も自殺ですし)でしたが、それでもラストのその後文は苦しかったな。
政府の機密事項だったというバックもわかるんですが、チューリングの功績はずーっとずっと長い間知られることのないことでしたし。
コンピュータの件も、なんか心にジワーッときた。
すっごく当たり前のことなんだけど「私の今の生活は誰かの努力、戦いによって成り立っているんだな」と改めて思いました。全ての戦った方たちに感謝したいです。
あれ、なんか誤解を招く言い方だったかもしれないけど、不可能と思われていたことに諦めずに立ち向かっていった人達、チューリングのような戦いをしてきた方々に、ということです。
そういや本当のチューリングの自殺はリンゴがあったんですよね。リンゴを配るのはそこらへんから来てるのかな?
個人的好きなシーンはヒューにジョーンの同僚を紹介する時に2人に小突かれるチューリング。なんか良い関係だなーと(笑)
ディスク化したらもう1度観たいです。むしろ買おうかちょっと悩んじゃうな。