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2012年制作 2014年日本公開 チリ・アメリカ 118分
監督:パブロ・ラライン
キャスト:ガエル・ガルシア・ベルナル、アルフレド・カストロ、アントニア・セヘルス、ルイス・ニェッコ、マルシアル・タグレ
長らく軍事独裁を強いてきたアウグスト・ピノチェト政権の信任継続延長を問う国民投票が迫る、1988年のチリ。
広告マンのレネ・サアベドラは、反独裁政権を掲げる信任継続反対派の中心人物である友人のウルティアから仕事を依頼される。それは、政権支持派と反対派双方に許されている、1日15分のテレビ放送を用いたPRに関して協力してほしいというものだった。
レネの作るCMは徐々に国民の心をつかんでいくが、強大な力を持つ賛成派陣営の妨害に悩まされる。
先週新作として置いてあって気になってたものが、今週は1週間レンタルOKになってたので早速借りてきてみました。
パケ裏のあらすじを見るととても面白そうだったんですが、結構真面目というか、平坦というか。思ってた以上に社会派作品だったというか。
私はチリのこともピノチェト政権のことも全然知らなくて…。でも知らないなりに楽しめた、というかとりあえず「ピノチェトは独裁者の悪者で不利な状況下どうやって勝つか、という話なのね」というのはスッと理解できたのでそんなに話に置いていかれる感覚はなかったです。
それにしても本当色々な知識は映画を楽しむ為にも使うのですね、もっと勉強しておくべきだった…とこんなところで実感したりします。知識は無駄にならないな、と。
社会派作品をしたり顔で楽しめる大人になりたいです…きっとそんな日は来ないでしょうが(笑)
それにしてもガエル・ガルシア・ベルナルの演技は良かったです。あと、ビンテージカメラで撮ったという映像。観始めた時に「あれ?これ何年の作品なの?」と思ったくらい80年代感がある映像になっていました。悪く言えば画質悪いってことだけど…(笑)そんなんも相まってドキュメンタリー感もあります。
個人的には時間がちょっと長く感じましたが、観て良かった作品でした。
以下ネタバレあり
予告編もなかなか面白そうにできてますね。
しかし本編はなかなかに平坦です。っていうのも主役のガエル・ガルシア・ベルナルが基本無表情っていうかあまり表情が変わらないのです。でも目に信念が宿っているというか、ただの寡黙な人間ではないのが凄く良かったです。
ラストも勝利したわりに喜び合うでもなくその場を離れてしまうので「おいおい、そこは喜んでおけよ」と思ったのですが、目がね、気持ちを表していてね、グッときましたよね。
目の演技と言えばコリン・ファースが好きなのですが、この方もなかなか。他の作品も観てみたいです。
ストーリーとしては、独裁政権に「NO」と言うとなれば私も過去の悲劇を訴えたいと思うのですが、プロとしてのイメージ戦略になるほど、と思いました。
確かに悲劇の被害者でない場合は同情はすれど、現独裁者に歯向かってまでその同情を形にするかと言われれば微妙ですよね。
ポジティブイメージで国民の気持ちを掴むというのは非常に納得でした。
プロって凄い。
全体的に色々と感心しながら観ていて、基本的にはそこそこ満足しているのですが、映像の切り方が気になったというか、なんかシーンがブツブツ切れてる感じがしました。
ビンテージカメラの具合なのかもしれないですが時間帯もよくわからず。
夜のシーンかと思ってたら明るい光が…あれ昼?一夜明けたの?でも服一緒?あれ?となることが数回。
妻との関係もよくわからず…離婚してるの?なんなの?お父さんも追放されてた?帰国したってことは主人公も追放されてたってことなのか…と無知のせいもあるでしょうが??も多めに残りましたが、まぁあまりストーリーにガッツリ絡んでいるわけでもなさそうなのでいいのかな。
妨害行為も私が独裁者だったらもっと思い切りやるけど意外と優しめ?だったな。
上司も敵なのか味方なのか…
それにしても最近ドキュメンタリー的な作品多い気がします。
今の流行りなのかな?
それにしてもこの件に関してあまりにも知らな過ぎて何も詳しく書けない…(笑)
とりあえずこんな状態でもそれなりに楽しめた作品でした、とだけ。
ビンテージ映像が好きな方や、広告業界の方とかは楽しめるかもしれないです。
勿論この件に関して知識がある方も。
しかしチリ映画って初めて観たなー。