プリズナーズ
PRISONERS
2013年公開 2014年日本公開 アメリカ 153分
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
キャスト:ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、ヴィオラ・デイヴィス、マリア・ベロ、テレンス・ハワード
家族と過ごす感謝祭の日、平穏な田舎町で幼い少女が失踪する。
手掛かりは微々たるもので、警察らの捜査は難航。父親は、証拠不十分で釈放された容疑者の証言に犯人であると確信し、自らわが子を救出するためにある策を考え付くが…
『気狂いピエロの決闘』が私の行きつけのGEOにはなくて、ふと「そういや複製された男の予告に入ってて面白そうだったよな」と思い出し借りてきました。
ぶっちゃけ借りる時は時間を見て「長い…」とテンション下がりましたが、いざ観てみたら何これ!面白い!時間なんて気にならないくらい面白かったです!
もう本当禿げ上がるかと思ったくらいには楽しみました。
でも『羊たちの沈黙』ほどではないかなーと思いつつ、でも『セブン』よりは好みだったかもしれません。
とりあえずジェイク・ギレンホールがイケメンで…。『複製された男』の時のくたびれた感じも好きでしたが、このピシッとした髪型とか(そう見えて意外とオシャレヘアー)もう…!
ヒュー・ジャックマンの常軌を逸するというか引き返せないところまでいってしまう男の演技も良かったです。
とりあえず本当に面白かった。時間で引くんじゃなくてもっと2時間超え作品も積極的に観ていかないとなー。
以下ネタバレあり
なんていうか、本当によくできた作品だなーと思いました。
ヒュー・ジャックマン演じるケラーは元々信心深く警戒心も強く規律を重んじそうな父親なんですが、娘が誘拐されたことによって急加速で人としての一線を越えていきます。それでも根は信心深い人間のようですが。
そして犯人である伯母ホリーは元々敬虔な教徒だったもの息子を亡くしたことにより「神への挑戦」を始める。
ケラーのような人間が悪に堕ちることこそ、ホリー夫婦の求めた神への挑戦なんですよね。
しかし、個人的にはフランクリン夫妻が精神的には1番悪だと思うんですが…。ケラーが何をしているか、ケラーがどれだけ精神的に参っていってるかわかっていながら嫌な行為をケラーに押しつけ(責任共々)、自分らはその恩恵だけは受けて、でも真っ当な人間でいようとするその狡猾さが何より悪に近いと思うんですが…胸糞…。
そしてジェイク・ギレンホール演じるロキ刑事ですが、彼はなんでしょうかね。名前だけだと悪でもあり神でもある人物なのですが。
話の構成としましては結構伏線が多く、でもちゃんと「あれ、これってあの時の」と観ていて無理なく観客が気付ける範囲で、凄く親切と言うか誰から観ても「面白い」と言えるような作りになってると思います。
伏線かと思ってたらイマイチよくわからないままで終わるものもありますが。特にケラーの父の自殺はなんなんですかね。あとホリーの旦那が神父に告解した理由もよくわからず…そして告解を受けた神父がホリー旦那を殺害する理由も…。
と、謎はそこそこ残っているんですが。「備えることが大事」というケラーの教えもそう物語に関係している気はしなかったですし。
うん、それでも面白かったな。
そして構成も勿論ですが映像も本当に綺麗だった。いちいち絵になるというか。
ホリーが捕まってから警察が地下に気付かな過ぎるとは思いましたが、アナが「見つけた」と言っていたホイッスルの行方がケラーに繋がる部分とか、うんうん!ってなったよ。
しかしラストでロキが笛の音に気付くところ、運悪く私の部屋ではテレビ録画用に繋げてある外付けHDDが絶賛稼働中でして「カリッカリッカリッ」とずっとHDD動作音が…笛の音が聞こえない…巻き戻ししちゃったよ、もう…
それはそうとケラーはラスト地下に閉じ込められて終わるのですが、助かったとしても捕まるのでしょうからケラーもプリズナー、ホリーも勿論プリズナー、アレックスもある意味プリズナーだったわけで、納得のタイトルなわけですが、ケラー(Keller)はドイツ語で地下って意味なんですよね、そこまで考えられてたのでしょうか。
ってことで派手過ぎる演出はなく、余りにも突拍子もない設定でもなく、きちんと観る側を意識してある作りの、個人的には大満足な作品でした。
ジェイク・ギレンホールがイケメンだったしね!(しつこい)
小説もあるようで、これ読んだらもっと謎が解けそうですね。気になる。