鑑定士と顔のない依頼人
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2013年制作 2013年日本公開 イタリア 131分
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
キャスト:ジェフリー・ラッシュ、シルヴィア・フークス、ジム・スタージェス、ドナルド・サザーランド
天才的な審美眼を誇る美術鑑定士ヴァ―ジル・オールドマンは、資産家の両親が遺した美術品を鑑定してほしいという依頼を受ける。
屋敷を訪れるも依頼人の女性クレアは決して姿を現さず不信感を抱くヴァ―ジルだったが、歴史的価値を持つ美術品の一部を見つける。
その調査と共に依頼人の身辺を探る彼は…
『ニューシネマパラダイス』『海の上のピアニスト』のジュゼッペ・トルナトーレのミステリー作品ということでちょっとワクワクしながら観賞。
さすがジュゼッペ・トルナトーレってことで作品全体の感じはとても綺麗でした。
オチは途中で気付くような感じでしたが、普段観るミステリーと違う過程を踏んでいるのでオチにびっくりと言うか、思ったより胸糞な感じに仕立てあげられています。
それでも綺麗にまとめてあるのはさすがと言うか、でもやはりおっさん好きとしてはなかなかの胸糞。
でも不思議と嫌な印象は残っておりません。
脚本が丁寧に作られているんだろうなって思えるからかな。
もっと情報が欲しかった部分もありますが、ちょっと謎を残して終わるのが最近の流れなんですかね。
以下ネタバレあり
美術品を愛し、美術品の中の女性を愛し、名声を手に入れ、孤独に、でも信頼できる仲間もいる男が悪いことをしつつも、人としての何かを手に入れる話。
と思わせて、そうでもない話です。
こういうどんでん返しものは比較的騙されない方(叙述ミステリばかり読んでたせいで結構裏を読んでしまう癖が)なんですが、なんだろう、この作品は「こうならないでほしいな」と思ってた方にいってしまったので残念なんですが、主人公が静かな確信に近い感情を持っているような表情でNITE&DAYにいるシーンで終わるのがある意味予想外の終わりで良かったです。
しかし、おっさん好きとして、確かに悪いこともしていたけどもいたいけなおっさんの純情を弄ぶような騙しは観ていて心が痛む…
結局あのオートマタもロバートの創作だったってことですよね。
可哀想…
それにしてもロバートの計画が壮大過ぎて何故そこまで…って印象が。
何も絵を盗むためにって、そら物凄い価値のあるものばかりだけどさ。
あと本物のクレアの存在。多分こいつがクレアだなって最初出てきた瞬間から思わせるわけだけど、クレアの特技をオートマタと共有する必要もな。
うん、でもよく出来た作品だった。
邦題がなんかなーと思うけど。結構すぐ顔出してたし。
あとイタリアの街が綺麗でした。イタリア行きたいな。ピザ食べに行きたい。
それにしても今年のGWは映画とゲームばっかだったな。
充実してたからいいんだけど。