光にふれる
TOUCH OF THE LIGHT
2012年制作 2014年日本公開 台湾・香港・中国 110分
監督:チャン・ロイジー
キャスト:ホアン・ユィシアン、サンドリーナ・ピンナ、リー・リエ、シュウ・ファンイー
生まれた時から目が見えないユィシアンは、台中で花農家を経営する両親と幼い妹と一緒に生活していた。
ピアノの才能に恵まれた彼は台北の大学に進学が決まり、母親の運転する軽トラックで大学の寮に向かう。
視覚障碍者を初めて受け入れた大学では、ユィシアンの移動を日直のクラスメートが手助けすることに決まり…
レンタル予告で観て、なんとなく気になっていた作品。なんせ私はピアノが好き。
ってことで借りてきました。
借りる前は「『光にふれる』ってなんかクサいタイトルだな」とか失礼なことを思っていたわけですが、観た後は「すげー良いタイトル…!」となりました。
映像がまさに「光にふれる」って感じでして。静かで清らかで柔らかく温かい光に包まれた映像が本当に良かった。
ストーリーも決して障碍者作品ではなく、正統派な青春作品でした。
週終わりの土曜日に観るのに最適な映画です。なんかジワーッと沁みたな。
今日寝坊して遅刻したことすら忘れられそうだよ…なんでだろう…いつもどんだけ睡眠時間短くても目覚ましかければ起きれるのに…年に1度くらい本当に目覚ましに気付きもせず寝こける日があるんだけど…去年も1度寝坊で遅刻したな…年1の遅刻とかマジ勘弁してほしい…
ってそんなめり込むような日に最適な映画でした、うん。来週からまた頑張ろう…
以下ネタバレあり
盲目のピアニスト、ホアン・ユィシアンの実話を基にしたストーリーでユィシアン本人が主演ということで、そんなに期待していなかったんですが、ユィシアンの雰囲気も良かったです。
穏やかな笑みを常に湛えている感じ。何かを無意識に諦めているようなその表情がすごく良かったです。あの表情は実際そういう体験をしている人じゃないとできないだろうなと。
そしてヒロインのサンドリーナ・ピンナ。何この子、めっちゃ可愛い。全然聞いたことない方なのでちょっと調べてみたらチャン・ロンロンという名前でも活動しているようなのですが、やはり全然知らなかったです。可愛い子だったわ。
このヒロインが出てきて彼氏と別れたところで「え?何何!ラブストーリー要素いらないよ!」と思ったのですが、私のそんな鬱陶しい心配をよそに優しい関係で逆に裏切られた気分になりました(笑)
ストーリーとしては幼少期にピアノのコンテストで優勝した時に「目が見えないから優勝したんだ」という陰口を聞いてからコンテストに出なくなったユィシアンと、お金の事情からダンサーの夢を諦めてバイトをしているシャオジエが出逢ってお互いを励ましつつ夢に向かって一歩踏み出すお話。
そんな2人の優しい関係はもちろん、ユィシアンのルームメートになってサークル(スパーミュージックというよくわからない(笑))にも誘ってくれるチンと他2名のサークル仲間もいい。チンのキャラが調度良くウザくて、服装とかも濃いし。必要性のわからないホットパンツとか(笑)でもバイオリンを指で弾くのはなかなか格好良かったです。
そして母。この母が良かった。最初大学に送ってくれる時は表情が少なくてちょっと怖かったけど息子への深い愛情が感じられて。お母さんのシーンはグッときたな。
先生もちゃんと背中を押してくれて。
才能も努力も大事だし、一歩踏み出す勇気は結局自分次第だし、でもやっぱ周りの人って大事だよね。支えてくれる人とか励ましてくれる人とか背中を押してくれる人の存在がいかに有難いか、そういうのを凄く感じた作品でした。
しかしED曲は何故あんな青春パンクみたいな曲だったのでしょうか(笑)
感動作といっても涙がこぼれるようなタイプではなかったですが、ジーンと心に優しさや温もりが沁み渡り、柔らかな光が差すような感動を味わえます。
疲れている時とかにどうぞ。