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イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ

2015年公開 日本 110分

監督:堤幸彦

キャスト:松田翔太前田敦子木村文乃三浦貴大、前野朋哉

バブル真っただ中の、1980年代後半の静岡。友人から合コンに誘われ、乗り気ではなかったが参加することにした大学生の鈴木は、そこで歯科助手として働くマユと出会う。

華やかな彼女にふさわしい男になろうと、髪形や服装に気を使って鈴木は自分を磨く。二人で過ごす毎日を送ってきた鈴木だったが、就職して東京本社への転勤が決まってしまう。

週末に東京と静岡を往復する遠距離恋愛を続けるが、同じ職場の美弥子と出会い、心がぐらつくようになる。 

 

あっちゃんが好きな身としては観ておこうと思って観に行ってきました。まぁあっちゃんは女優としては別に、歌手として好きなんですが。『チャッピー』を観ようか悩んでたんですが、『チャッピー』はもう少し遅い時間しかなかったので諦め。

本当はどっちももっと早く観に行くつもりだったんですが、少し前に仕事を休む程の風邪をひいたので予定が完全に狂っています。『チャッピー』はレンタル待ちになるかもな。

で、この『イニシエーション・ラブ』ですが私は原作は未読です。文庫化された時もの凄く話題になっていたので当時少し気になってはいたんですが、当時付き合っていた人に「これめっちゃ面白かったから読んでみなよ!最後2行がマジですごいどんでん返しでさ、だからラストは見ちゃダメだよ」 と物凄いテンションで言われ、「いらん、読む気失せたわ」と丁重にお断りしました。

だってさ!前も言ったと思うけど叙述トリック作品の帯に「叙述トリックの傑作」って書いてあったり、ミステリー作品に「ラストに待つ大どんでん返し」とか書いてあるやつよくあるけどさ、それ自体がネタバレなんだって!

そういうのは前情報全く無しで見るからこそであって、「ラスト2行でどんでん返し」とかどんなネタバレやねん。そんなん言われて「へー、面白そう!読む読む!」ってなるわけないだろ!と。

しかも「普通の恋愛小説と思わせてラスト2行で一気にミステリーに」という触れ込みだったのですが、私は女性作家の恋愛小説ってどうしても構えてしまうので、もうその点でも敬遠してしまう…

で、映画化となり「原作とは違うオチ」ということだったので少し気を取り直して観てみようと思ってました。あっちゃんだし。

 

結果としては期待し過ぎたというか…。いや、実際はそんなに期待していなかったので予想を遥かに下回ったというか。

原作のオチも知らない私がこんなにガックリするなら、原作を読んだ人はどんな風に思うのでしょうかね。まぁオチは違うらしいので同じような感じなのかもしれませんが。

それにしてもこういう作品は前情報無しに、と本当に何も情報を入れずに観たのに何ですかねこの感じ。予告を観すぎたのかな、なんかめっちゃ予告してたしね。

いやー、本当予想外の展開(悪い意味で)でラスト5分の種明かしがもうちょっと苦痛でした。

 

まぁ「金返せ」とは思わなかったのは(そもそも酷い作品でもそんなん思ったことはないけど)あっちゃんのおかげかな。

彼女の感じが役にあっていて、あっちゃんありきの作品のような気さえしました。

なんかめっちゃベタ褒めしたみたいになったけど女優として評価するにはまだ至っておりません、でも今後に期待はしております。


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「イニシエーション・ラブ」予告 - YouTube

 

 

 

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて言えばいいのか…

ストーリーとしては超オーソドックスな叙述トリックです。それこそもう手垢まみれ、くらいの。しかも完成度が低い。ヒントなのか知らないけど序盤から穴というかトリックの端切れをチラチラ見せまくってくる感じ。

できるだけ懐疑的にならずに観ようと思ってたのに普通に状況確認というか現状把握しながら観てるだけですごく整然と順序立てて観ることができました。

でもあれだけ予告とかで「どんでん返しが凄い!」みたいにやってるので「え、まさかこれがオチ?いやいや、きっと予想もしない展開がくるんだよ」と自分を励ましながら観たんですが、なんのその、普通に観た通りでした。

時系列をいじくってあるだけで、状況を把握しながら観てれば頭の中で簡単に整理できるんだけど、あれでいいの?

これを「どんでん返し!」とあれだけ期待させて言うってことは「お前らはどうせ与えられたものをそのままにしか受け取れないんだろ(笑)」と言われてるような気分にすらなります。いや、制作側にそんな悪意があるとは思ってませんが(笑)

 

1980年代後半の昭和の雰囲気とかは良かったし、登場人物誰1人好きになれなかったけど役者さん達はハマってたと思うし、もう少し何とかできなかったのかなーって感じです。

もういっそ卑怯ってのを承知の上で松田翔太一人二役の方がよかったよ。

それにしても「イニシエーション・ラブ」は「大人になる為の通過儀礼のような恋愛」のことらしいですが、この場合は誰にとってのイニシエーション・ラブだったのでしょうか。

鈴木夕樹くんにとってかな?なんか全体的にピンとこないままだったな。

あれだけ絶賛されてた原作の方のオチが逆に気になってきてますが読む気はあまりないので、ダメだと知っていながらもネットのネタバレでも読もうかなーと考えております…ダメかな、やっぱ…

『チャッピー』を観れば良かったなーと思いつつも、でもあっちゃん観たしいっか、と思うあたり自分が思ってる以上にあっちゃん好きなのかもな、と思った映画体験でした。

 

 

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 結局意地のようなものも働き読んでいない原作。

今回の映画でオチが違うとわかりつつも期待値はだいぶ落ちてしまっております。