チェイサー
THE CHASER
2008年制作 2009年日本公開 125分 韓国
監督:ナ・ホンジン
キャスト:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ソ・ヨンヒ、チョン・インギ、パク・ヒョジョ
デリヘルを経営する元刑事ジュンホのところから女たちが相次いで失踪して、ときを同じくして街では連続猟奇殺人事件が発生する。
ジュンホは女たちが残した携帯電話の番号から客の一人ヨンミンにたどり着く。ヨンミンはあっけなく逮捕されて自供するが、証拠不十分で再び街に放たれてしまい…
引き続き韓国映画強化月間をしております。しかし今回こそは『殺人の追憶』を…と思ってたのにまたレンタル中だった…誰や借りてるのは…。
しかし『チェイサー』は返ってきてたのでこっちを借りてくることに。できれば『殺人の追憶』から観たかったんだけど、まぁいいや。
実際にあった事件をモデルにしたこの作品、良い評価を聞くもののどうなんかなーと途中まで観てたんですが、気付いたら真剣に観てていつの間にか終わった。
引き込まれてしまったよ…
こういう作品の韓国の良作率は半端ないですね。同じ題材でも日本じゃこうはいかないでしょう。
しかしなかなか新鮮な感じの作品でしたが、タイトル『チェイサー』から予想した感じとは全く違ったな。でもそれが良かった。
それにしても序盤からずっとハ・ジョンウが星野源に見えてなんか不思議な気分になっていました…どうでもいいけど(笑)星野源もああいう役似合いそうだよね、彼の俳優としての作品って観たことないけど、こういうのをやるなら観たい。
そしてハリウッドリメイクもちょっと気になるところです。しかしディカプリオって他にも現状リメイク権のみの話ってなかったっけ?これだっけ?
まぁ原作のほとぼりが冷めるまで置いておくのも大事だと思いますが、そろそろいいんでないかな。しかしレオ様はやはり追う方でしょうか。個人的には追われる方でお願いしたいけども。白ブリーフ姿はなくてもいいから(笑)
以下ネタバレあり
元刑事が運営するデリヘルの女がどうも同じ客のとこに行ってから売られてるらしい、そんな不届き者は見つけ出して金回収してやる!と社長である元刑事が立ち上がる。しかし捕まえた男は女たちは売ってない、殺したんだ、とか言い出す。その二人のやりとりに警察も絡んできて…
韓国で実際にあった連続猟奇殺人事件をもとにしているということで、全体的に完全フィクションものより陰鬱とした雰囲気が漂っていると思います。
しかし実際どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションなのか…ほぼノンフィクションだとしたら韓国の警察はダメダメ過ぎるでしょう。
最近観た他の作品でも思ったけど韓国警察って結構ダメな感じで描かれてるよね。なんか捜査が杜撰と言うか、粗いと言うか。あれでいいのか?
この作品でも「警察ってこんな行き当たりばったりみたいな感じなの…?」と思わせる抜けっぷり。ミジンが通報した時もパトカーの中で2人とも昼寝してたから遅かったですって感じだったけど、何それ…。寝てるとしてもせめて1人は起きてるとかさ、無線入ったら起きるとかないの?どんなシステムなんだ、韓国警察…
そして釈放されたヨンミンを尾行する女刑事もさ、店に入って長時間出てこないようなら何かアクションを起こさないのかな。1人で突撃しろとは言わないけどさ、応援呼んで自分はヨンミンの尾行を続けるとかさ、何故まだ家がわからないままなんだよ…と。ヨンミンはのうのうとミジンの頭部を家に持って帰ってきてるわけだし。
なんか警察に対する「うーん」感が強かったです。
あと主人公の元刑事設定もうまく活かせていない気が。元刑事の割にはやることめちゃくちゃ(まぁクビになったようですし)で、やたら暴力的だし。犯人が殺したって言ってるのを全然信じないし、警察も主人公も空回ってる感じがね。これでいいのか…て思わせる…(笑)
でも全体を通して面白かったですよ。微妙な部分も多いんだけど、韓国クライム映画のあの陰鬱さとグロさが良い感じにマッチしていて微妙な部分を帳消しにしてくれるというか、いや、実際上記のようにポロポロ文句が出るってことは帳消しにはなってないんだろうけど、まぁいっかって思わせるくらいの効果はあります。
それにしても後味は悪かったな。ミジンからの留守録、あんなん聞いたら主人公もそらもうやるせないでしょう。
しかしミジンの娘が倒れていたのはなんだったのか…ミジンっぽい人を追って…どうなったのかな。
わからない部分もありますが、約1日の濃密さでそこらへんは観終わってからふと思ったくらいでした。
とりあえず韓国映画はそろそろハンマーを振りかざすシーンは自重すべきだと思います(笑)あまりにも多くていっそ笑えるシーンになってきたよ…。
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