悪党に粛清を
THE SALVATION
2015年制作 2015年日本公開 デンマーク 93分
監督:クリスチャン・レヴリング
キャスト:マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーン、ジェフリー・ディーン・モーガン、エリック・カントナ、ミカエル・パーシュブラント
1864年、ジョンと兄のピーターは、祖国デンマークで兵士として勇敢に戦った。戦争に嫌悪感を抱いた彼等は新天地を求めアメリカ西部に移住し、ジョンは1871年にようやく妻と息子をアメリカに呼び寄せる。
だが、駅での再会の喜びもつかの間、親子3人は帰りの駅馬車でならず者と同乗することになり…
ってことでセンチュリーシネマまで観に行ってきました。
最初は観ようか悩んでたんだよね。西部劇って観たことないし、しかもデンマーク産西部劇。でもウェスタンノワールってことで、ノワールと付いていればまぁ大丈夫でしょう、何よりマッツ・ミケルセンだからね!!と意気揚々と観に行ってきました。
いやー、マッツ・ミケルセンの格好良さったら転げ回るレベル。転げ回りたかった。
勿論ジェフリー・ディーン・モーガンもミカエル・パーシュブラントも格好良いです。そして言葉を発しないエヴァ・グリーン。彼女も本当に素敵でした。
ストーリーとしては思ってたよりは良かったですが、何せ西部劇は観ないし、内容の割に時間が短かったかなって感じ。粛清(っていうか復讐)をメーンに持ってきているというより、それだけとも言える。いや、勿論深みはあります。でもシーンとしては復讐に絞られています。ひたすら人が死ぬし。
うーん、なかなかだったけどオススメとは言えないくらいかな。ただマッツ・ミケルセンが好きな人には心からオススメします。いつもと違ったマッツがそこに…!
なんせ西部劇な革ジャン革パンで無精ヒゲで砂埃にまみれて縛り上げられたりしてる…イ、イケメン…!!
馬に乗る姿はさすがナイトです(笑)
ってことで内容にはまったく期待せずとも手元にこのマッツを…!という気持ちだけでパンフ購入。案の定読み応え的なのはなかったですが、いいんです、マッツがそこにいるから。
6/27(土)公開 『悪党に粛清を』本予告 - YouTube
以下ネタバレあり
ジョンとピーター兄弟が祖国デンマークの元兵士でアメリカに移住して7年振りに妻子と再会する…ってのは始まってすぐ文章で説明されます。
「文章かい!」って心の中でツッコミました、勿論です。
何故兵士を辞め祖国を出てきたのかは説明されませんが、きっと何か辛いことがあり、やむを得ぬ何かがあったのだろうとその表情から感じます。
そして妻子と再会した…と思ったら妻子が殺され、その場でジョンは犯人を殺します。ここまで15分くらいでしょうか。
「復讐終わったじゃん!」と心の中でツッコミました、これまた勿論です。
でも犯人は妻は殺していないって言ってたし、ジョンも妻に関しては「殺した」ではなく「犯した」と言っていたので妻は自殺とかだったのかな?そこら辺はわからず。
で、「復讐終わったよ!え?誰に粛清するの?」と???になっていると出てきたのはジェフリー・ディーン・モーガン演じるデラルー大佐。なんと犯人の兄。
ありがち設定!しかしそういうの嫌いではないです。ありがちは言い換えれば王道ですからね。
デラルーは勿論弟を殺した犯人を探しますが、ここにあるのは兄弟愛ではないですね。そしてジョンの代わりに町民が3人殺されたんですが、それを聞いてもマッツは知らぬ顔で町を離れようとする。「俺のせいで…」とはならないのね、となりながらもそういう時代なのかな、と納得。
で、結局町の保安官によって捕まえられデラルーに引き渡され…でも兄が助けにきてくれ、でもその兄が…と途中からもう何がキッカケだったのか、弟なんてどうでもよくね?的な感じに。
でも西部劇って言うと「早撃ち勝負」みたいなイメージがあったんですが、ジョンもピーターも元兵士ってこともあってか、派手な撃ち合いではなく身を潜めて1人ずつ確実に殺していくという、THE西部劇とは違う戦闘シーンはなかなか楽しかったです。
うん、ストーリーとしては復讐と粛清(一応復讐だけではなく粛清もしてます)に尽きる。監督が西部劇に憧れがあって過去の西部劇へのオマージュとかも結構あるそうなんですが、如何せん私は観ていないのでわからず…。
そんな西部劇初心者でも楽しめたポイントは、まず映像が綺麗。砂埃舞う荒野、そこに揺れる稲穂?空気感が物凄かったです。
あとは役者陣の演技。特にマッツ・ミケルセンとエヴァ・グリーンが良かった。
ジョンは寡黙で表情も豊かではないんですが、妻子を待ちわびる感じや再会の喜び、その他喜び、悲しみ、怒りがその目に表れていて、その熱い目から目が離せなかったです。
マデリンも舌を切られているということで全く言葉を発しないんですが、エヴァ・グリーンも目が良かった。基本ずっと睨んでいたのですが、その表情がひ弱であろうとも強く気高くあろうとする女性の気持ちを表していて良かったです。
まぁひ弱って言っても銃ぶっ放して敵?を倒したりするんだけどね。
ってことで個人的に役者陣が堪らない作品でした。
ピーター役のミカエル・パーシュブラントも良かったな。彼の作品もチェックしてみたいところです。