ラブ&マーシー 終わらないメロディー
LOVE & MERCY
2015年制作・日本公開 アメリカ 122分
監督:ビル・ポーラッド
キャスト:ジョン・キューザック、ポール・ダノ、エリザベス・バンクス、ポール・ジアマッティ、ジェイク・アベル
バンド「ザ・ビーチボーイズ」の人気が過熱していた1960年代のカリフォルニア。うなぎ上りの人気とは裏腹に、新たな音楽を模索してスタジオで曲作りに没頭するブライアンは、新作へのプレッシャーによって精神的に参ってしまう。
それから二十数年、ブライアンはメリンダと出会ったことで…
ビーチボーイズは初期の有名な曲くらいしかちゃんと聴いてないですが、予告を観て「観よう!」と思ってた作品。センチュリーシネマで観賞。
なかなか面白かったですが、思ってたものと違った感が…。
ビーチボーイズの話かと思いきやブライアン・ウィルソンのブレインウォッシュな話がメインと言うか…
でもそれなりにしか知らなかったその件について「ほうほう」と観れたし、感動というと言い過ぎかもしれないけど、ラストで本物のブライアンが歌う姿に少しじんわりときたので満足です。
それにしても1番評価すべき点はポール・ダノのそっくり感。ポール・ダノってこんなにブライアン・ウィルソンに似てたっけ?て思った。
他にも60年代は似てたな。
最近やたらとミュージシャン作品多いけど、よくもこうそっくりな人を見つけてくるよなーと毎回そこにまず驚かされます。
「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」本予告 - YouTube
以下ネタバレあり
ブライアン・ウィルソンの60年代の苦悩と80年代のブレインウォッシュを交差させながら救われるまでを描く作品です。
なのであまりハッピー感はない。
でも観終わった時にハッピーを感じることができるので、観ていて鬱々とする作品ってわけではありません。
80年代のユージンが悪者なのは間違いないのですが、60年代のマイクも少し悪者みたいに見えたな。損な役回りですな。
個人的に好きだったシーンは他メンバーがツアーに行ってる時に行ってたスタジオバンドのシーン。
純粋に楽しかったです。
でも少しずつ確実にブライアンが耐え切れなくなっていく様は観ていて少し苦しかったり、でもブライアンが悲劇のヒーローみたいに描かれている点に少しモヤモヤしたり(ブライアン目線の作品だからそうなるけども)していました。
私は何かをアウトプットする人間ではないのでその苦悩がわかるわけではないですが、理解を求めると孤独感に苛まれるもんだと思っています。
だって他人を100%理解することなんてできないし、だから私を100%理解してくれる人もいない、そう思ってるのでああいう神経のすり減らし方をしていく様は理解できないっちゃできないんですが…
でもああいうのって理解=賞賛になっていくっていうか、そういう世界なのかなーって思うと私には何かをアウトプットする職業は全く向いていないということですね。
でもメリンダがブライアンを理解しているかと言うとそういうことではなく、誰かと生きていくというのはそれとはまた違った次元の話というか、理解し合える関係ではなく認め合える関係であればいいというか。
才能とか人柄をって言うより、存在を。
まぁバンドのソングライターとしてはああいう苦悩はつきものなんでしょう。だってそういう職業だものね。
あれ、これ何の話だ(笑)
とりあえず「ビーチボーイズの映画」を想像して観ると少し肩透かし食らう感じだけど、それなりに楽しめる作品でした。
でも2回目観たいってものでもないかな。