悪魔は誰だ
MONTAGE
2013年制作 2014年日本公開 韓国 120分
監督:チョン・グンソプ
キャスト:オム・ジョンファ、キム・サンギョン、ソン・ヨンチャン、チョ・ヒボン、キ・ジュボン
15年前に起きた幼女誘拐事件の時効が間近に迫ったある日、担当刑事のチョンホは犯人を捜し続ける少女の母親ハギョンを訪問する。
その後事件現場に花が供えられていることを知ったチョンホは捜査を再開するが、時効成立直前に犯人に肉迫するも取り逃がしてしまう。
責任を感じた彼は刑事を辞めるが、15年前と同じ犯行手口の誘拐事件が発生し…
予告で気になった『悪魔は誰だ』を。
韓国映画の悪魔シリーズなのかってくらいの『悪魔』率…何でなのか。
で、この作品ですが、サスペンスとしてはドキドキできる部分もあり、やるせない感じもありでなかなかだったと思います。
まぁ「いやいやいや…」ってなる部分も多くてストーリーの部分で詰めの甘さも感じましたが。
でも雰囲気つくりは良かったな。
あとキャストもなかなか。
『殺人の追憶』に出てたキム・サンギョンも良かったですし、母親役のオム・ジョンファが結構ソワッとくる感じが…良かった。
おじいちゃん役のソン・ヨンチャンはなんか見覚えがあるんだよなーと思ってたけど『アジョシ』の社長ですね。
うん、全体を通すと思ってた以上には楽しめたのでそこそこ満足です。
以下ネタバレあり
最初のシーンの謎が少しづつ解けていく構成なんですが結構定番のミスリードも仕掛けてあって、普段小説とかなら引っかからないのに…!と悔しく思うくらいまんまと騙されてしまいました。
時系列が3つなのかな。
でも最後まで観ると「なるほどなー」と思えたのでアンフェアな感じはなかったです。
でも本当にやるせない感じがあったな。
誘拐殺人事件で娘を亡くしたが時効を迎えてしまった母親が独自で捜査して犯人を見つけ、犯人の孫を誘拐してしまう…という話なんですが。
ずっとその事件を追っていた元刑事が新たな事件に関わり、母親が犯人であることに気付くものの、その犯人を孫誘拐の犯人に仕立て上げ、母親のことは黙っているという。
そして母親の元にいた孫を預かるものの、返すかどうかはわからずに終わるという…。
そもそも犯人が誘拐したのは娘の手術費を手に入れる為で、誘拐した子供を殺すつもりはなく…という。まぁ反省している点はなかったので同情はしないんですが。
でも元々の犯人と、今回の犯人である母親、犯人がわかっていながらも冤罪を強要した元刑事。
誰もが加害者であり被害者であり、悪魔であるんですよね。
なんか観終わった後のやるせな感が凄かったです。
不思議と胸糞感はなかったのが救いですが。
でも、孫はもうしっかりしている年齢なので「犯人は祖父ではなく女の人だった」と言える年齢だと思うんですが。
そこらへんは…まぁ作り話ということでしょうか。
あと母親の娘が森から吹っ飛んできたところも「え?これギャグ?」と思いました。もっと他に見せ方あっただろうと…(笑)
でもそんなに悪くはなかったですよ。一応。