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忘れることに備える記録

観たり・聴いたり・読んだり

いつか、また

THE CONTINENT

2014年制作 2015年日本公開 中国 104分

監督:ハン・ハン

キャスト:ウィリアム・フォン、チェン・ボーリン、ウォレス・チョン、ジョー・チェン、ワン・ルオダン

中国の東の果てにある島で生活している3人の若者が、広大な中国大陸を横断しようと決意。

旅の過程で、幼なじみの女性、文通相手、コールガール、バイカ―などとの出会いと別れを経て、さまざまな経験をした彼等は、ついに大陸を横断することに成功し、あるものを目にする。

 

きっと、うまくいく』を借りに行ったはずなんですが、久々にレンタル店に行ったら面白そうなのが色々とあって結局全然関係ないものを借りてきてしまいました。

これは中国の人気作家ハン・ハンが脚本から監督までやった話題作。

何故か音楽は小林武史

韓国映画はちょこちょこ観ているけど中国映画ってあんま観たことなくて…でもパケに「アジアを代表するスター達の共演」って書いてあるだけあって、出演作は観たことないけど知ってるって感じの人達が出ていました。

 

正直レンタル店で手に取った時はそんなに期待していなくて、借りるかもちょっと悩んだんですが何故かやたらと気になって観てみることに。

個人的には結構好きでした。

THEロードムービーってのを想像して観ると肩透かし食らいそうですが、なんだろう、青春群像劇ってのもまた違うな、そもそも登場人物が青春って感じじゃないし。

あれだな、私の好きなニューシネマ系に似てる。『スケアクロウ』とか。

いや、ストーリーとかは似てないんだけどね。

仲間の1人を国の反対側に送る為に廃れた故郷を捨てて大陸横断の旅に出る青年達が道中で色々な人と出会い別れていく話なんですが、淡々と進んでいくし物寂しい感じもあるんですが全体的にはコメディタッチで描かれていて(笑えるかどうかは別の話)結構アッサリ気楽に観れる、でもなんか心にヒューンと来る感じ。

邦題の『いつか、また』がなかなかピッタリだと思います。

物理的でも心理的でも、距離感の遠い人などの別れの際に気軽に言ってしまう「いつか、また」。

99%くらい「いつか、また」なんて来ないんですよね。

万が一「いつか、また」が来ても逆に気まずくなっちゃったりね(笑)

自分の人生にも結構な数の「いつか、また」があったことをふと思い出しました。

半分以上は叶えたくないものですがね(笑)

 


「いつか、また」予告編 - YouTube


f:id:ROUTE375:20151026010416j:image

 

 

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

故郷から仲間3人で出発するんですが、かなり序盤でいきなり1人はぐれるってのは笑いました。

しかも最初にナレーションをしていた人物なのでメインキャラだと思ったのに…(笑)

中国のことがイマイチわからないんで、最初のホテルで警察が来た時(結局偽物でしたが)に逃げなきゃいけない理由がちょっとよくわからなかったんですが、向こうはデリヘル呼んだらダメなんですかね?

このスー・ミーって子もよくわからなかったんですが、いや、出てくる人みんなわからなかったな。

だから少し置いていかれた気分になるんだけど、それがこの映画の核の部分なのかなとも思ったり。

実際短い時間、もしくは長い時間を一緒にする人でも、相手が本当はどんな人物なのか、なんてのはよくわからないんだよね。

本人の口から語られることが事実とも限らないし、周りから情報もまた然り。

メイン人物の1人が旅が進むにつれ「人間不信になっていく」と言ってましたが、その気持ちもわからないでもない。

スー・ミーの時に「子供は白黒、大人は損得にこだわる」って言われてたけど、白黒って言うか無条件に相手を信じたいというか疑うことがないと言うか。

そういう点ではこれは彼らが大人になっていくロードムービーなわけだけど、それが幸せなことかは別だよね。

結局3人とも別々になって、そしてもう会うことがないんだろうけど、それが大人になるってことなら何とも切ないなと思ってしまう。

子供の内は狭い世界で生きているから近くにいるってだけで同じような感覚で生きていけるのかもしれなくて、大人になって自分の世界が広がると昔から一緒にいた人の間にも世界観の違いってのが出てきてしまって疎遠になっていくってのは、わかるし私にも経験はあるけど、こうやって客観的に見ると悲しいことだな。

『STAND BY MEドラえもん』で私の1番の号泣ポイントは、大人のび太に子供のび太が「ドラえもんを呼んでこようか」と聞いた時に大人のび太が「ドラえもんは僕の子供の頃の友達だから」って断るところなんだけど、あれと同じ感覚。

子供の時の友達は大人の時の友達とは別というね…わからんでもないんだけどね…

ラストの別れのシーンでも犬を渡す時に「お前は友達ができないんだから老後の友に連れてけ」「犬の命は十数年だ」の後に少し間を開けて「人の絆よりは長続きする」って言う、あのシーンも何とも切なく。

色々ありながらも一緒に大陸横断してきて、でも「それがなんだ」って話で、残ったものはまぁ未来っちゃ未来なんだけど…

 

その後この旅のことを本にして、それが大ヒット、そのおかげで廃れていくだけだった彼等の故郷が賑わうってのは良いんだけどね。

「こんな別れ方思いもしなかった。だが別れる時にはいろいろ考えてしまう。これが最後の言葉になるかもしれないし、これが相手の最後の姿になるかもしれない」

っていう物語の最後は、本当に彼等の旅の最後になったわけで。

なんとも切ないんだよな。

で、小林武史の音楽ってことで案の定なんか切ない感じというか、岩井俊二作品みたいな感じに。

別に小林武史じゃなくて良かったと個人的には思うけど、ちょっと邦画的な親しみやすさは出ていると思うので普段アジア映画観ないって人も観やすいかもしれないです。

 

とりあえず私が普段遊ぶ友達は基本十年来の友達なので、これからも、できれば犬の寿命以上に付き合いを続けていきたいと月並みなことを思ったのでした。

あとアラスカン・マラミュートが出てくるんですが可愛すぎる。

マラミュートは飼いたい犬種の1つなんですが、日本は気候的に難しいので飼えないんだよな。羨ましかった…

そして、またそのうち観返したくなる予感がガンガンする作品でした。

いつか、また [DVD]

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