忘れることに備える記録

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少人数作品『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』と『毛皮のヴィーナス』

今回は最近観たものの、1つの記事としてまとめることができなそうで見送りにしていた2作品をまとめて。

意識していなかったのですが2作品とも少人数作品だったのでちょうど良いかと。

どちらもぼんやりとネタバレしているので未見の方はお気を付けください。

 

そしてこの記事は何故か2回消えまして…書くのが3回目になるのでもう何を書いているのか自分でもよくわからなくなってきています… すみません。

 

・『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』

『LOCKE』

2013年制作 2015年日本公開 イギリス・アメリカ 86分

監督:スティーヴン・ナイト

キャスト:トム・ハーディ、オリヴィア・コールマン、ルース・ウィルソン、アンドリュー・スコット、ベン・ダニエルズ

超高層ビルの工事を手掛け、翌日に重要な作業を控えている大手建設会社のエリート社員アイヴァン。

妻と息子たちの待つ家に帰ろうと愛車のBMWに乗り込むと、1本の電話がかかってくる。それを機に、彼は自宅ではなくロンドン方面の高速道路に車を走らせていく。

電話で部下に翌日の作業を一方的に押しつけ、妻に自宅に戻れなくなった原因を告げるアイヴァン。

一刻でも早くロンドンに向かおうとする中、困惑する部下、解雇を宣告する上司、憤怒する妻からの電話を受け取る。

 


「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」予告編 - YouTube

 

みんな大好き?トム・ハーディの1人芝居です。

世界のイケメンランキング3位のトム・ハーディが車内で86分間あーだこーだと電話したりする話です。

電話の相手として声の出演はあるんですが、本当に画面上にはトム・ハーディのみ。

私はトム・ハーディと言えばバットマンでフガフガしてるイメージしかなかったのですが、86分間飽きずに観れる演技でした。

まぁ内容としては何とも言えない感じだったのですが…。すごく独りよがりな男の話としか。なんか父親と色々あるようなんですが、イマイチよくわからず。

しかし子供が何とも可愛いと言うか、良い子と言うか。だからこそ余計アイヴァンにムカついたりもするんですが。

とりあえずトム・ハーディを観る作品としては価値ありです。あと86分完全な1シチュムービーとして構成が良かったと思います。

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 [DVD]

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・『毛皮のヴィーナス』

『LA VENUS A LA FOURRURE』

2013年制作 2014年日本公開 フランス 96分

監督:ロマン・ポランスキー

キャスト:エマニュエル・セニエ、マチュー・アマルリック

高慢で自信に満ちあふれている演出家トマは、あるオーディションで無名の女優ワンダと出会う。

品位を全く感じさせない彼女の言動や容姿に辟易するトマだったが、その印象とは裏腹に役を深く理解した上にセリフも全て頭にたたき込んでいることに感嘆する。

ワンダを低く見ていたものの、オーディションを続けるうちに彼女の魅力に溺れていくトマ。やがて、その関係は逆転。

トマはワンダに支配されていくことに、これまで感じたことのない異様な陶酔を覚えてしまう。

 


『毛皮のヴィーナス』予告編 - YouTube

 

年末くらいにミリオン座、センチュリーシネマのトイレでよく見かけたこの作品。

「SM系かー、興味ないな」くらいにしか思っていなかったんですが、こないだ予告を観たら「マチュー!!」となりまして。

マチュー好きです。カメレオン俳優と言われますが決して爬虫類的な顔だからということではない(当然)、でもあのギョロッとした目が素敵。

ってことで早速借りてきました(笑)

 

いやはや、フランス映画って難しい。

マゾッホの原作「毛皮を着たヴィーナス」も読んだことはなく、でも一応あらすじは知っていたのですが想像していたものと違った。これは…ワンダが神の化身でトマを罰しにきたとかそういうのなんですかね?ちょっと私にはわからないので詳しくは知識のある方の批評とかを読んでもらうといいと思います。私もお世話になろうかな。

ストーリー的にはそんな感じで私は面白いとか面白くないとかそういう次元にすら立てていないのですが、それでも映画としては面白かったです。

2人だけの1シチュエーションムービーというこの感じが上手く活かされていて、だからこそ観ているこっちはどんどん困惑してくるというか。

オーディションということで劇を演じていくんですが、その密室具合が上手いこと手伝って2人の会話が劇なのかリアルなのかわからなくなっていきます。

その惑わせ方がなんとも秀逸でした。「あれ?」「あれ?」の連続でこんがらがって、でも不快な困惑じゃない。「あれ?」と思いながら観るのが結構楽しかったです。

ってことで構成と俳優が素晴らしい作品でした。

マチューは勿論、エマニュエル・セニエはポランスキー監督の奥さんなんですが、登場した時は普通の熟女なんですが、観ていくうちに美人に見えてくるから不思議。ボディラインも熟女なんですけどね。なんか凄い人でした。

しかし脚本家(脚色家らしいですが)と女優ということで、トマとポランスキー監督を少し重ねて考えてしまったりして…そんな自分が嫌になった(笑)

 

とりあえずストーリーは置いておいても、ある意味観る価値ありな作品です。難解なストーリーですが私は96分飽きずに楽しめました。