私の、息子
Pozitia copilului
2013年公開 2014年日本公開 ルーマニア 112分
監督:カリン・ピーター・ネッツァー
キャスト:ルミニツァ・ゲオルギウ、ボグダン・ドゥミトラケ、イリンカ・ゴヤ、ナターシャ・ラーブ
ルーマニアのブカレストに住むコルネリアは、30歳を過ぎてもしっかりしない息子バルブの世話を焼いている。
ある日、バルブが交通事故を起こし、被害者である子供が亡くなってしまう。警察の上層部につてがあるコルネリアは考え付く限りの手段を駆使し息子を助けようとするが、バルブはそんな母親に対して怒りを露わにする。
…き…気持ち悪い…
いや、ストーリーがではないです…まぁストーリーも気持ち悪いっちゃ気持ち悪いですが。一人息子(30オーバーの)に対して過干渉な母親と、そんな母親に反発するも母親を安心させてあげるという考えは全くない精神年齢が学生の反抗期で止まってしまっているだろう息子の話。
まぁこれだけでも十分気持ち悪いんですが、何が気持ち悪いかって、カメラワーク。
ドキュメンタリー?と思うような撮影方法なんですが(BGM全くないし)、ハンディで撮ってるの?くらいの揺れ、ブレ、登場人物に近い、あっち向いてこっち向いてで大きく振る、正直半分くらい過ぎた辺りから酔った感覚で気持ち悪いです…
ストーリーはまぁ…なんとも言い難い。これは本当にどう思うかは観た人の環境とか立場にもよると思います。でも母と子供の普遍的なテーマではあると思うので一度観てみても損はないかと。
ただカメラに酔うのでお気をつけてください。お菓子でもつまみながら観ようと思ってたのに気持ち悪くてほぼ手つかずです…
以下ネタバレあり
母親も息子も父親も親戚も出てくる人たちがほぼムカつきます。
でも母親の気持ちはわからないとは言えない。
いや、私は母ではないのでわからないっちゃわからないのですが、でも母の気持ちってこうなんだろうなーとは思う。
なんとしても子供を助けたい、自分の子供に辛い思いはさせたくない、といったね。
まぁうちの親はこうはならないと思いますが。
いや、大事にしてもらってますし、だいぶ気にかけてくれてる方だと思いますが、「悪いことをしたら自分で責任をとりなさい」という方針なので。
うちの母はサスペンスとかが好きでよく観たり読んだりしてるんですが、親が子供の罪をかばうストーリーだと「気持ち悪い、考えられない」と言って途中放棄してしまう程なので。
多分この作品もお気に召さないんだろうなー。
と、そんな親に育てられたので正直この家庭にはちっとも感情移入できなかったです。
そして母や父なんて比べものにならないくらいに息子ムカつく!
なんだこの息子!殴りてー!!!
とだいぶモヤモヤしました。
私より年上でこれ。文句ばっかいっちょ前で、自分に降りかかる不遇は親のせいだとすら思ってる、そんな親に反発するくせになんだかんだ親に甘えてる。
殴りてー…!
正直コルネリアが息子の家に合いカギを使って侵入、捜索するところは寒気がするくらい気持ち悪かったけど、そんなんどうでもよくなるくらいに息子は腹立った。
で、ルーマニアについて私は全然知らないんですが、なんか色々と問題を抱えてそうですね。
まず主人公家庭と被害者家庭の社会的格差。警察官などと金持ちたちの癒着。
最初は一見まともそうだった女性警官も途中から普通にコルネリア寄りになっててビックリしたよ。
そういう社会的な背景もありそうなので余計にドキュメンタリーチックに見えます。
いやー、しかし本当に気持ち悪い…
本当このカメラワークなんとかならなかったのでしょうか…
これが作戦なんでしょうか…
63回ベルリン国際映画祭で金熊賞を獲ったとのことですが、作品のテーマとしては良かったんですが、このカメラワークが…これが評価されたのかな?
私は多分もう観ない…(笑)
ちなみに原題はラストにも出てくるように「Child's pose(胎児のポーズ)」です。勿論ヨガは関係なく(笑)
息子が胎児のまま母の手の中って意味でしょうか。精神的に不安な方は四肢を丸めて胎児のような姿勢をとるようですが、そういうことでしょうかね。