忘れることに備える記録

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フィフス・エステート ‐世界から狙われた男‐

THE FIFTH ESTATE

2013年制作 日本未公開 アメリカ・ベルギー 128分

監督:ビル・ゴルドン

キャスト:ベネディクト・カンバーバッチダニエル・ブリュールローラ・リニースタンリー・トゥッチアンソニー・マッキー

告発者を守り、秘密、隠匿情報を公開する「ウィキリークス」の創始者ジュリアン・アサンジと、彼のカリスマ性に惹かれた仲間たちは、世界的な新聞社やテレビ局を上回る秘密情報の数々を発信していく。

彼等が暴露する情報は次第に過激で危険なものになっていき、ウィキリークスアメリカ国防総省や世界の主要国の国家機関にとって脅威となっていく。 

 

「パッケージの駄作感半端ねー」「ウィキリークスって名前は聞いたことあるけど何なのかよくわからんしな」と見送りにしていた作品。

でも個人的にカンバーバッチ作品はアタリが多いので観てみることに。

そこそこ面白かったけど、海外情勢に滅法な私には話が難しかったです…何が何やら…。 

ってことで視覚的なものを楽しんでいました。ちょっとCG過多な感じもするけど。

あとダニエル・ブリュール。『ラッシュ』でニキを演じたダニエル、最初ニキ役の人って気付かなかったよ。『ラッシュ』ではニキに似てたけどこれは別に似てないし(笑)

そしてこのダニエル、本作の次の年に『誰よりも狙われた男』に出てるんだよね。「狙われた男シリーズ(笑)」と個人的にクスリ。まぁ『誰よりも狙われた男』は未見ですが。これも何度も手に取りつつ置いてきてる。ル・カレの原作って結構疲労するイメージがあって…。『裏切りのサーカス』は好きだけど。そのうち観ようかな。

あとはやはりカンバーバッチ。孤高の天才役多いですね、本当に。まぁ似合うから仕方ない。白髪も似合ってたけどアサンジとは似ても似つかない(笑)

しかしカンバーバッチ作品の安定感は今作でほんの少し揺らいだ…。『僕が星になるまえに』も観たいんだけど私の行きつけのGEOにはないんだよね。違う店舗に行かなくてはいけないのか…。

いや、これもそこそこ面白くはできてたんだけどね。時間のある時に観るくらいでいいような。ちなみに全然製作費を回収できなかった作品らしいです。その回収率だいぶ酷いよ…(笑)


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『フィフス・エステート/世界から狙われた男』日本版予告編 - YouTube

 

 

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィキリークスを創設したアサンジの話と、ウィキリークスの裏事情話。

って言っても製作者も「ドキュメンタリーにならないように」気を付けたらしいし、アサンジ本人は事実と違う点を挙げたりしているようなのでノンフィクションとは言えないと思いますが。

何も知らない私が観た感想としましては、観ているこっちの立ち位置がよくわからない。

アサンジが悪いのかダニエルが悪いのか。そんなん勝手に決めろって話ですが、分からない身としてはそれも全くサッパリなのです…。

私は自分で決めたルールは守りたい方なのでアサンジの「告発された文書に手を加えない」ってルールを突き通す姿はそりゃ個人情報云々の問題はあるにしろ、ダニエルがあんな報復に出るまでのことなのか、むしろダニエルも言ってたやないか、手のひらの返し方がいきなりな印象でよくわからない…と。

勿論ダニエルの正義もわかるのですが、なんか腑に落ちない。

アサンジの宗教の家庭の話もピンと来なかったんですが、白髪の原因が嘘だったってのはわかったけど、結局アサンジは幼少期の呪縛から抜け切れていないってことなのかな。エゴが強い部分とかは子供のようだし。

ダニエルによって破壊された架空のウィキリークスの部屋で燃えカスが散る中に幼少期のアサンジがいたりするのでそういうことなのかな。

 

個人的にはこのウィキリークスを表す架空の部屋の表現が1番好きでした。どこまでも続く机の並んだ部屋。アサンジが幼少期をビーチで過ごしたってことで床は砂浜。

どこかで観たような光景だなって思ったら制作の方が「『アパートの鍵かします』を少し意識した」というようなことを言ってて納得。他にも色々な名作映画からインスパイアされたようです。

あとカンバーバッチの嘘くさい笑顔も良かった(笑)あんなニコッ☆みたいな口、笑う(笑)

でもやっぱ天才役カンバーバッチなら『ホーキング』と『イミテーションゲーム』です、私としては。

そういや『博士と彼女のセオリー』の予告観て一瞬カンバーバッチのホーキングかと思ったよ。個人的にはカンバーバッチのホーキング博士が良かったので「観なくてもいっか」くらいに思ってたんですが、一気に『博士と彼女のセオリー』も観たくなってきました。レンタル出たら観ようと思います。