ソナチネ
ソナチネ
1993年制作 日本 93分
監督:北野武
キャスト:ビートたけし、国舞亜矢、渡辺哲、勝村政信、寺島進、大杉漣
組長の命令により、沖縄にある中松組の抗争の助っ人として舎弟たちと共に沖縄へと出向いた村川。
しかし、抗争は収まるどころかますます悪化。事務所を爆破された村川たちは、海岸沿いの空き家へと身を隠すことになる。
とりあえずここまではちゃんと観たかった。
「最後のつもりで撮った」と言うだけあって今までの作品の集大成的な出来で、4作の中では1番好きです。
『その男、凶暴につき』の我妻と『3-4x10月』の沖縄がミックスされたような感じなんですが、1番バイオレンスで1番コメディだった。
でもバイオレンス過ぎないというか、ドンパチが多い印象はあまりないんですが主人公の中に潜む狂気が1番強く思え、我妻以上に村川が凶暴に思えました。
コメディとバイオレンスが上手いこと融合しているから、だからこそどちらもが強調されて今まで以上のバイオレンス作品の印象を与えてるのかな。
映像的にも安定のクオリティでした。
とりあえず国舞亜矢の濡れたノーブラTシャツ姿を「スタイルいいなー、乳でけーなー、めちゃ揺れるなー」としみじみ見てしまいました。
でもTシャツめくるとあんまエロくないんだよね、チラ見せの法則なんでしょうか。
串刺しなナポレオンフィッシュのインパクトが好きです
ソナチネ (1993) - 劇場予告編 (Takeshi Kitano) - YouTube
以下ネタバレあり
話としてはあらすじの通り。
すぐ手打ちになるはずの話が、いつの間にかどんどん悪化していく。
でも海岸沿いの家に場所を移したらみんな暇を持て余してバカばっかしてるんです。
紙相撲だの相撲だのリアル紙相撲だの落とし穴だの花火合戦だの。
そこに危機感ってのはなく、みんな適当に楽しく過ごしている。片桐は色々と心配はしているけどまぁ一緒に遊んだり。
観ているこっちとしては「あれ?そんな場合だっけ?」って思うんだけど、結構このバカな時間が続いて、「この感じがなんかいいなー」と思い始めた頃に事態が変わっていきます。時間配分がうまいな。
特に寺島進と勝村政信がしょうもないことを言いながら徐々に仲良くなっていくシーンはホッコリするレベルでした。
だからこそラストに向かってバイオレンス要素が強くなっていく時に「うへぇぇ」と思わされるんだろうけど。
初期作品しか観ていないのにあーだこーだ言うのはよろしくないでしょうが、北野作品って「どう死ぬか」がテーマみたいですよね。
この4作、主人公が全員死ぬってのもありますが、ただ死ぬだけじゃない。自分の人生をどう終えるか、ここに重きが置かれているというか。
だから「主人公が死ぬ=悲しい」の方程式が当てはまらないんだよね。
他の作品だと主人公に感情移入すればするほど主人公が死んだ時に悲しくなるんだけど、北野作品は感情移入すればするほど主人公が死んだ時に一種のカタルシスを味わうというか。そこに悲劇的な感情はあまりないんだよな。どんなに悲劇的な最期を迎えても。
この作品も村川が最初に言ってた「ヤクザ辞めたい」が死ぬことに結びつくのかもしれないし、「死ぬことを怖がると死にたくなっちゃう」があのラストに結びつくのかもしれないし。
なんだろう、死にたがっているわけじゃないけど、でも死ねたらと思ってる感じというか…なんて言うのか…
年を取れば取るほど語彙力が下がってきてて自分の思ったことを伝える力がだいぶ衰えていると感じます…大学くらいの文章力(と言ってもそれ程ではない)を取り戻したいな。
まぁラストに関しては「あの状況で生きて出て来れるのか?」とは思いましたが。でも綺麗なラストになっていたんでオッケーということでしょうか。
次は『みんな~やってるか!』なんですが…どうなんでしょう。でも淀川さんは褒めたっぽいし。まぁそのうちにでも。
とりあえず明日『ナイトクローラー』を観に行こうと思ってるんですが、『人生スイッチ』が明後日までの上映ってことに気付いて『人生スイッチ』にしようか悩んでいます。
『人生スイッチ』はそこはかとなく地雷臭もするんだけど、こういうちょっとやばそうな雰囲気のする作品に弱いんだよなー。2時間超えってのがちょっと引っかかるんだけど…でも『ナイトクローラー』はまだ来週もやってるしね。
『人生スイッチ』観に行ってこようかな。