忘れることに備える記録

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真夜中のゆりかご

A SECOND CHANCE

2014年制作 2015年日本公開 デンマーク 102分

監督:スサンネ・ビア

キャスト:ニコライ・コスタ―=ワルド―、ウルリク・トムセン、マリア・ボネヴィー、ニコライ・リー・コス、リッケ・マイ・アナスン

愛する妻と幼い息子と幸せな毎日を送っていた刑事のアンドレアスは、通報を受けて同僚のシモンと共に現場に駆け付けた一室で、薬物依存のカップルと目を覆うような育児放棄の現場を目の当たりにする。

夫婦でわが子を慈しむ日々は愛に満ちていたが、ある日思いがけない悲劇に見舞われ、アンドレアスの中の善悪の価値観が揺らいでいき…

 

 前回ハッピーな作品を観たいって言ったのに何故こんな作品を観ているのでしょうか。

その答えは北欧サスペンスという言葉とニコライ・コスタ―=ワルドーに惹かれた為です。

前情報あまりなく、ビア監督は名前は聞いたことありますが作品は観たことなく…そんな状態で観たんですが、ズッシリきた…

ビア監督は「考える作品」が多いようですが、確かに考える作品ですが、考える前にまずズーン…

面白かったって言うか、観て良かった作品ですが何度も観たい作品ではないです、心にくるから。

デンマーク映画は『悪党に粛清を』とか『ダンサーインザダーク』らへんを思い出しますが、映像は綺麗で北欧のオシャレな感じもある(その対極もありますが)んですがどことなく漂う日本海側の雰囲気。

研ぎ澄まされた冷たい空気感がそこにあって、それがじわじわと展開していくストーリーに妙にマッチしていて観ているこっちにもその空気感が伝わってくる感じがしました。

って言うと結構絶賛しているような感じですし、実際良かったんですが全体的に観て愉快な作品ではないですし胸糞要素もあるんでお気をつけてください。

とりあえずよくある子供すり替え系の話とは全然違うテイストな気がします。あんまそういうの観た記憶がないですが…

あと期待した通りニコライ・コスタ―=ワルド―は素敵な演技を見せてくれるイケメンでした。

 


映画「真夜中のゆりかご」予告編 #A second chance #movie

 


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以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湖のほとりにあるオシャレな北欧ハウスに住む警察官のアンドレアスは美人な妻と幼い息子と共に幸せな毎日を送っている。息子の夜泣きも妻と交代であやし上手く子育てしているはずだったが、ある朝妻の叫び声で目を覚ますと息子が亡くなっていた。

息子の突然の死を受け止められない妻をなだめる為に仕事で会った薬物依存のカップルの育児放棄されていた子供と自分の子供をすり替え…

というお話なんですが、まぁこのあらすじの通り結構な胸糞作品です。

死んでいるとはいえ自分の息子の遺体を糞尿まみれで育て?られているヤク中カップルの子供と交換するシーンとかは一瞬でアンドレアスを嫌いになれます。

そうだな、これも登場人物で好きになれる人が少ない作品だったな。

唯一ってくらいでアンドレアスの同僚のシモンが好きだったくらいで。

最初はシモンもダメ人間な感じで描かれていたんですが、彼は同僚の不幸に際してちゃんと自分で立ち直ったからね。

 

そもそも妻が最初からなんか嫌いなタイプの女性だなーって観てて。なんか目が笑ってないし、

妻「子供がいるなんて実感湧かないわ」

夫「後悔してる?」

妻「なんてこと言うのよ!!子供は私の大事な宝物なのに!!!」

と発狂。この時点で、うわ…引くわ…と。めちゃキてる嫁だな…と思っていたので、息子が亡くなっているのに気付いて発狂したシーンは物凄く冷静に観てしまった。

でもその感じがちゃんと意味があったから、嫌いな部分にも感心してしまいましたが。

そんな妻を冷静になだめようとしているアンドレアスが実は1番静かに狂っていたってのはまぁありがちな展開でして。

でも妻以上に胸糞だなーって思ったのがヤク中の女性の方。

ネグレクトしてたのに「私は子供のことを大切に思っている!」「良い母じゃないけどそれでも子供が大事だ」と言い張るんだけど、いやいや糞尿まみれで放置してクスリからのセックスしてたじゃねーかと。そういうのを全部男のせいにしてたけど、その男から離れなかったのはお前だろうと。

すげーモヤモヤする胸糞感。

自分の子供かどうかわかるのなんて当たり前だし。

なんでこの人が良い母的な感じで描かれているのか本当にわからなかった。

 

ラストは夢があるっちゃあると思うけど、会話は蛇足な気も。

でも内容の割には綺麗にまとめてあったな。

全体的にはもうなんか物凄く憂鬱な気分というかモヤモヤなんですが、決してダメな作品ではなかったです。

ちょっと気持ち的に下がりたい時には良いかと思います。

あと何度も言いますが、ニコライ・コスタ―=ワルドーが素敵でした。

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