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忘れることに備える記録

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トラッシュ!-この街が輝く日までー

TRASH

2014年制作 2015年日本公開 イギリス・ブラジル 114分

監督:スティーブン・ダルドリー

キャスト:マーティン・シーンルーニー・マーラヒクソン・テヴェス、エドゥアルド・ルイス、ガブリエル・ワインスタイン

ブラジル・リオデジャネイロ郊外でゴミ拾いをして暮らす3人の少年は、ある日ゴミ山で一つの財布を見つける。

その財布には世界を揺るがすとんでもない秘密が隠されていたことから、警察も総力を挙げて捜索に乗り出す。

少年たちは「正しいことをしたい」と財布に隠された謎を解明すべく、警察のしつこい追跡をかわし命懸けで真実を追い求めていくが… 

 

リトル・ダンサー』は私の好きな映画ベスト3に入るくらい大好きで、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』もそこまでじゃなかったものの「やはりダルドリー、少年の成長を描かせたら安定感が半端ないわ」としみじみし、「ダルドリーの少年物は私の中では鉄板!」とすら思ってたのにこの『トラッシュ』は今までの作風とあまりに異なって見えた上に県内一カ所でしか上映せず「レンタル待てばいっか」となってしまっていた作品。

こないだ新作で出てたんですがもう1週間OKになっていたので早速借りてきました。

 

いやー、ダルドリーすみませんでした。さすがダルドリー、少年の成長を描かせたら間違いない!

いやー、良かったわ、凄く良かったわ。

今回は予告や紹介文の時点で「なんかめっちゃ社会派な感じするやん…なんかなー」と思ったんですが、今までの作品も思えば結構社会派なんですよね。

今回サスペンス要素やチェイスが足されている分今までの作品とは違うと言えますが、別にそこに対する否定の気持ちは出ず。

どちらかと言われれば今までの作風の方が好きですが、見応えとしては明らかにこちらでしょう。

それにしてもダルドリーの何が凄いって毎回毎回いい子役を見つけてくることだよね。今回の子も3人ともすごく良かったです。

観終わったら「3人とも好き!」となります。

これからはダルドリーの少年物は疑わずに観に行こう…しかしこの謎の副題もちょっと観に行く気持ちを減らしたんだよな…何故こういう副題をつけるのか…


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映画『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』 予告 - YouTube

 

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台はブラジル、リオデジャネイロ。ブラジルは貧富の差が未だに激しくそれこそスラム街なんて中をわかっていない限り入るもんじゃないってセナ没後何年かの企画本で読みましたが、この主人公たちはスラム街っていうかゴミ山の麓で生活しています。

川の上に木で組んだ家で生活する様は「なんか楽しそう」と他人事にも程がある感想を持ってしまいましたが、日本からするとあれはもう完全にフィクションの域なんですよね。21世紀のこのご時世、まだあの生活があるのか…とにわかに信じられない自分がいます。いや、あるのはわかっているんですがね。

そこに住む少年3人が社会悪に立ち向かうという、なんか物凄く「社会派!」な感じがして「政治メッセージ強いのはちょっとな…」と思ったんですが、よく考えてみれば今までのも結構社会派なんですよね。

リトル・ダンサー』は廃れ行く炭鉱を舞台にストや生活の困窮が描かれているし、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』はテロ後のPTSDを扱ってるし。

そんな社会の問題を少年の成長を通して伝える、ダルドリーのスタンスは最初から変わっていないようで、その見せ方が見事というか個人的にジャストなのです。

少年が主役ということで、その社会問題に置かれている状況に必然性というか自業自得という点はなく、同情の対象にもなる人物が成長と共に人生を好転させていく…

なんとも綺麗事な感じもしますが、好きなんだよなー。

しかも今回は少年3人。この3人っていうのがいいんです。

大人だと結構2人組のバディものが好きだったりするんですが、子供だと3人ってのがなんとも妙なんですよね!なんだろう、ズッコケ3人組とかの影響なのかな?

しかも最後に女の子が1人仲間に加わるからドラえもん要素もある(ドラえもんはいないけどね)。

ああ、そうだな、例えるなら昔のドラえもん映画を観ているのと同じような気持ちで観ていたかもしれないです。ドキドキハラハラ、自分たちの信念を持って何かを企んでいる大人と戦う。個人的にはこの感覚すごく腑に落ちたのだけど、違うと言われれば違う気もする(笑)

 

なんだろう、すごく良かったなと思うのに感想が全然まとまらない(笑)

 

とりあえず好きなシーンはラスト。すごくいいラストだった。

金をばら撒くシーンも良かったけど、自分たちの取り分は少し残しておいて、ビーチに行く。

ラットが育ったところなのか違うビーチなのかはわからないけど、言ってた通り「差別もないし、漁をすればいいから食べ物に困らない」。

正しいことをやり切った彼らは凄くハツラツとしていて、社会を取り巻く状況はそう大して変わっていないのかもしれないけど間違いなく何かが好転している。そういう希望を感じる。

子供が成長するってだけで何かグッとくるのはそれだけ年を取ったってことなんでしょうか…昔はドラ映画ものび太たちと一緒に冒険をしている気分だったけど、今はもう見守る感じで観ているからね。やだやだ…

 

邦題とポスター画はなかなかにダサいけど、そんなん関係なく良い作品でした。

邦題やパケで引く人もいるかもしれないですが個人的にはオススメです。

 

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