忘れることに備える記録

観たり・聴いたり・読んだり

聴いたり

今月は珍しくCDの発売日が近くてちょこちょこ買いました。

 

・『BEST3』/TOMOVSKY

トモフの3枚目のベスト。

今回も良いです。とにかく『我に返るスキマを埋めろ』は何回聴いても良いね。こういう感じで生きていきたいんだよな(多分それはダメ人間)

勿論他の曲も良いです。

ああトモフのライブに行きたいなー。

BEST3

BEST3

 

 

・『ROCK'N'ROLL PANDEMIC』/THE PREDATORS

ピロウズ好きで何となくずっと買ってるプレデターズ

今回も買うか悩んだんですが、いつも結局買うので購入。

まだちゃんと聴いていませんが、このラモーンズ感は嫌いではないです。

ちなみに購入特典のポスターはまだもらったまま。『Monster in my head』のポスターは部屋に飾ってあります。

ROCK'N' ROLL PANDEMIC(初回生産限定盤)(DVD付)
 

 

・『夢のおかわり』/フラワーカンパニーズ

今月1番楽しみだった1枚。フラカン大好きです。

12月の武道館ライブは仕事で行けないんですが…。ライブハウス武道館は遠いっす。

そして10月のインストアのサイン会券をもらったんですが仕事で行けないです…ショックです…

それにしても圭介の声は本当になんか沁みてくるからたまに怖い。でもやっぱ大好きです。

夢のおかわり(初回生産限定盤)(DVD付)

夢のおかわり(初回生産限定盤)(DVD付)

 

 

ちなみに同時発売のこちらも購入。

面白いです。フラカン大好きです(何度も言う)

 

 

以下はダウンロード。

・『ラブメッセージ』/岡村靖幸

 岡村ちゃんの新曲。

いつ聴いても格好良いです。安定。

ラブメッセージ

ラブメッセージ

 

 

・『無垢な季節』/ゲスの極み、乙女。

いつも通りの川谷くんの声狙い。

まだあまり聴いていません。

無垢な季節

無垢な季節

 

 

ピエロがお前を嘲笑う

WHO AM I

2014年制作 2015年日本公開 ドイツ 106分

監督:バラン・ボー・オダ―

キャスト:トム・シリング、エリアス・ムバレク、ヴォ―ダン・ヴィルケ・メーリング、アントニオ・モノ―・Jr.、ハンナ―・ヘルツシュプルンク

世間を震え上がらせたハッキング事件を起こし、さらに殺人容疑で追われる天才ハッカーベンヤミンが警察に出頭してくる。

ハッカー集団「CLAY」に加担して盗んだ情報によって殺人事件を引き起こしてしまい、今度は自分が狙われていると告白。

その自白を基にベンヤミンの身辺調査に着手した捜査員は、不可解な事実を次々に見つけ出す。 

 

ってことでセンチュリーシネマで観賞。

最近はスクリーン2が多かったんですが、久々に1だったな。そして観客も平日の昼、しかもドシャ降りにしては多かったな。

「100%騙されるマインドファックムービー」という謳い文句に惹かれ観たんですが、何度も言うように「傑作叙述トリックミステリー」という謳い文句がネタバレのように、これもネタバレですよね。でもそれでも騙せるという自信があるのかな、とも思ったのですが、結果とすると「うーん」となったかな。

映像とか見せ方的には結構ワクワクできた部分もあるんですが、『ユージュアル・サスペクツ』『ファイト・クラブ』『ソード・フィッシュ』らへんをミックスしたような印象を持ちました。ちなみに私が買った市販VHSは3本なんですが『燃えよドラゴン』『ファイト・クラブ』『ソード・フィッシュ』の3本でした。中高生にはVHSは高かったんだよね。

 

ってことで、そこそこは面白かったけど期待以上ではないちょっと肩透かしを食らった感のある作品でした。私はアノニマスについて聞いたことあるくらいで知らないしな。

でもトム・シリングは『コーヒーをめぐる冒険』とは印象がだいぶ違っていて思わずジッと見てしまった。ヒロインの女の子以外のキャストはなかなか好きでした。ヒロインの子はなんか…顔も性格もどこにそんなにベタ惚れ要素があるのか最後まで謎でした。


f:id:ROUTE375:20150919230255j:image

 


このトリックを見破れるか!?映画『ピエロがお前を嘲笑う』予告編 - YouTube

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主人公が出頭して自白していくところから話が始まるんですが、終始主人公の自白で進んでいくので、そもそも観客がこの主人公を信用できないと物語として成立しないと思います。

今時「主人公の言うことは絶対」という暗黙ルールなんて崩壊していると思うので、もっと主人公に感情移入できるようなエピソードがあればな、とは思ったけど…

そしてフェアさを出そうとしたのか、主人公に裏がありそうな感じを匂わせてくるので綺麗に騙されることもなく。

 

映像はアングラな世界観を出していて「ちょっとやり過ぎ(笑)」と思ったけど良かったな。

でも主人公がそのアングラな雰囲気が似合わなくて、オチとして多重人格で全部1人でしたって言われても全然しっくり来なくて、大オチで逆にスッキリ納得って感じになる微妙な感じに。

そもそも角砂糖の手品の時点で「4つを1つに見せかける」トリックを披露しているから、フェアというより手の内を見せすぎな気もしたけど。

あと『ファイト・クラブ』のポスターがデンッと貼ってあったり。

親切を通り越して「んん?」となるレベルだったけど…

 

まぁ全体を通すと100分ちょいの作品としては綺麗にまとまってたとは思いますが。

あれだけ煽っておいた割にオチが弱いと思うけど。

とりあえずハリウッドリメイクされたら観たい。どう変えてくるのかが気になる。

あとダサいと思った邦題が「Clowns Laugh at You」を訳したものとわかって少し納得した。『WHO AM I』だとちょっと目を引かないしね。

 

これだけ煽られずに、期待せずに、もっと何気なく観てたらもう少し楽しめる作品だったなって感じです。

 

フライヤーの作りはなかなか面白かったのにな。

↓このフライヤー、タイトルが書いてないなと思ったけど 

f:id:ROUTE375:20150919230311j:plain

↓横から見ると…


f:id:ROUTE375:20150919230325j:image

Dearダニー 君へのうた

DANNY COLLINS

2015年制作・公開 アメリカ 107分 

監督:ダン・フォーゲルマン

キャスト:アル・パチーノアネット・ベニング、ジェニファー・ガーナ―、ボビー・カナヴェイル、ジョシュ・ペック

作曲活動から離れて何年も経ち、人気アーティストとしての盛りも過ぎてしまったダニー・コリンズ。

そんなある日、マネージャーから古い手紙を見つけたと渡される。それは駆け出しだった43年前の自分にジョン・レノンが送ってくれたもので、富や名声に自分を見失わず、音楽と真摯に向き合うようにとつづられていた。

それを読んだ彼は人生をやり直そうと決意してツアーをキャンセルし、一度も会ったことのない息子を訪ねる。 

 

アル・パチーノが大好きなので即決で観に行くことに。

最近多い音楽の実話を基にしたお話(と言ってもこれは『ほんの少し実話を基にした』お話ですが)で「またか」という気持ちがなかったわけではないですが、アル・パチーノならね!若い時からずっと好きな俳優なんてアル・パチーノくらいですしね。

と、そんくらいの気持ちだったんですが、予想以上に良かったです。

大きな盛り上がりとか劇的な展開があるわけではないんですが、登場人物が魅力的で、アル・パチーノの演技は勿論、脇を固める俳優も良かったですし、ストーリーも笑えて切なくてでも幸せな、何も考えずに楽しむのに最適な良作でした。

そして物語を彩るジョンの曲も、パチーノの歌声も、なんだろう、なんか色々ととてもナチュラルな空気感だったと思います。

あまり期待していなかっただけに、本当に良い作品を観たなーという気持ちが強い1本でした。レンタルが出たらもう1回観たいです。


f:id:ROUTE375:20150916235020j:image

 


映画『Dearダニー 君へのうた』予告編 - YouTube

 

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去に成功したミュージシャンが、過去の売れた曲でコンサートを回りベストアルバムを何枚も出し、いまだに豪華な暮らしをしている…という、「どこにでもいるんだね」と思ってしまうようなそんなミュージシャンが、昔からずっとファン(崇拝しているとも言う)だったジョン・レノンから自分宛の手紙を43年越しで手に入れ人生を変えていくお話です。

ジョン・レノンからの手紙を数十年振りに受け取ったというフォークミュージシャンのスティーブ・ティルストンが元ネタです。実話なのはここらへんくらいだと思います。

手紙の内容は実話に沿っていて、急に売れ始めた若手ミュージシャンが雑誌のインタビューで影響を受けた人にジョン・レノンを挙げ、「富や名声を手に入れたら作る曲は変わると思うか」という記者の質問に「変わると思う」と答えたら、ジョン・レノンから「僕は変わると思わない。キミはどう思う?いつも真摯にいればいい。何かあれば力になるよ」というメッセージと電話番号が書かれた手紙が送られてくる。

でもそれが雑誌社宛に送られてきて、編集の悪意?で本人に渡されることがなかったという。

憧れのジョン・レノンからそんなメッセージを受け取っているとは思ってもいないダニーは酒にクスリに女に、絵に描いたようなロックスター人生を送ってきたものの、その手紙で音楽に、そして人生に真摯に向き合うことを決める。

まぁ産まれて一度も会ったことのない息子に会うわけなので、そううまくはいかないんですが、このダニーが根がいい奴で全然憎めない。むしろ観ているこっちは「いやいや無理だよ…」と思いつつも応援したくなる。

そんなダメなんだけど魅了的なキャラをアル・パチーノが好演してくれて余計に憎めなかったです。

「昔の曲はもうやらない」とまで言って作った新しい曲を演奏できなかったのは、臆病になった部分もあるけど、みんなが求めているものに応えたいというダニーの気持ちもあるんじゃないかな、とすら思えるくらいにいい奴で。

自家用ジェットだの、ド派手なツアー用トレイラーだの、高級車をポンとあげちゃったり、鼻につくようなロックスターなのに全く鼻につかないから逆に困った(笑)

そしてラストが本当に良かった。

実際は検査結果がどうだったのか、そしてダニー自身もあの曲を披露できたのかどうなったのか、そういうのはわからず仕舞いなんですが、きっと「Everything's gonna be alright」だと思える、なんとも幸せな終わり方でした。

エンドロールが流れ始めた時に少し微笑んでしまうような、いや実際ちょっとニヤついてたと思います(笑)

 

久々に色んな人に観てもらいたいと思った、ハッピーな良作でした。

ちなみにセンチュリーシネマで観ましたが、お客さんはジョン・レノン世代の方が多かった気がします。

ナイトクローラー

NIGHTCRAWLER

2014年制作 2015年日本公開 アメリカ 118分

監督:ダン・ギルロイ

キャスト:ジェイク・ギレンホールレネ・ルッソ、リズ・アーメッド、ビル・パクストン、アン・キューザック

人脈も学歴もないために、仕事にありつけないルイス。

たまたま事故現場に出くわした彼は、そこで衝撃的な映像を撮ってはマスコミに売るナイトクローラーと呼ばれるパパラッチの姿を目にする。

ルイスもビデオカメラを手に入れ、警察無線を傍受しては、事件現場、事故現場に駆け付ける。

その後、過激さを誇る彼の映像は、高値でテレビ局に買い取られるように。やがて局の要望はエスカレートし、それに応えようとルイスもとんでもない行動を取る。 

 

ってことで今週は『ナイトクローラー』をようやく。

ミリオン座近くに良い駐車場を見つけまして、これで安心して車で行けます。でもあそこらへん満車になりやすいよね。パーキング多いのに停めれないなんてことも結構ありますし。まぁ今月はセンチュリーシネマの方が観たいのが多いのでいいんですが。

 

で、これですが、面白かった。

しぼったジェイク・ギレンホールの眼光がより厳しくなってまして、あのギョロッとした目に冷徹さを存分に湛えてまして。笑ったりもするんですが目が笑ってなくて怖い。笑顔にゾッとする。

いやー、ジェイク・ギレンホール好きです。

あとレネ・ルッソの「いそうだなー」という感じのマスコミの世界に生きる女性もハマってました。

 

ストーリーは観終わってスッキリするタイプのものではないですが、胸糞ってほどのもんでもなく、「悪が滅びるとは限らないもんねー」っていうある意味のリアル。

もともと脚本家ということで安定のストーリー運びだったと思います。

まぁやはり全編を通してのジェイク・ギレンホールの存在感に拍手したいとこですが。

なかなかの高評価も納得の作品でした。


f:id:ROUTE375:20150911083337j:image

 


映画『ナイトクローラー』予告編 - YouTube

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金網とかマンホールの蓋を盗んでは売って生活するコソ泥だったルイスが、事件・事故撮影のパパラッチになって成功?していくお話。

どんどん過激な映像を求め、その為には他人を犠牲にしても構わないルイスと、視聴率を稼いで自分の地位を守りたい、その為に法律や道徳の観念を鈍らせていくミーナ。

ショッキングな映像に捕らわれていく様は『KILLERS』を少し思い出したりもしましたが、作風は全然違います。

 

もともと罪悪感とか倫理観に欠ける男だった為に自身の成功の為に躊躇いを見せないルイスは恐怖でありつつも、ある種の清々しさすら感じました。警察を敵に回しても動じないし。振り切ってるなぁというか、そういう点では天職というか。

口が達者で人を言いくるめる感じも、仕事がなく学がないことにコンプレックスを持っていた男にありそうな設定でルイスという男が「こんな奴いるのか」と思わせると同時に「いそうだな」とも思える絶妙なキャラでした。

部下であるリックを裏切った?のも「オレの交渉術を使ってオレに交渉した」と言ってましたが、そういう自分の能力に対する独占欲もあるある。

だからこのルイスというキャラクターが怖くも魅力的(好感という意味ではなく)に見えました。

 

それにしてもアメリカでは注意喚起だけであんなショッキングな映像が流せるんですかね。その方がちょっと怖い気がしますが。

 

とりあえずジェイク・ギレンホールがより好きになりました。

母なる証明

MOTHER

2009年制作・日本公開 韓国 129分

監督:ポン・ジュノ

キャスト:キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ、ユン・ジェムン、チョン・ミソン

早くに夫を亡くして以来、一人息子のトジュンと静かに暮らすヘジャ。

そんなある日、街で殺人事件が起こり、もの静かなトジュンが第一容疑者に。事件の解決を急ぐ警察がトジュンを犯人と決め付け、無能な弁護人も頼りにならない中、ヘジャは真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとする。 

 

実は今まで観ていなかった作品。何故ならなんか嫌な予感がしたので。

確か『私の、息子』でも言ったけど、母が息子の罪をあーだこーだするのが好きじゃないのです。

でも「やっぱ観ておかなくてはね…」と借りてくることに。まぁ借りようと思ってた『レッド・ファミリー』が借りられてたからなんですが。

 

いやー、素晴らしく嫌な作品だったわー。これ褒め言葉寄りです。

韓国映画の暗くて残酷で汚くて色々と目をそらしたくなる感じ、良いね。

ただストーリーとしては完全なる胸糞だったので、2度目は観ないかな。

母役のキム・ヘジャは素晴らしかったです。他の作品観たことないけど、なんか目が凄かった。あんな目されたら嫌だわー…。

ウォンビンは兵役復帰後初作品らしいですが、ブランクを感じさせない(それ以前のウォンビン作品は観たことないですが)演技でした。

 

それにしても人の嫌な部分が沢山な作品だったな。

色々と背中にソワソワする感じでした。

いやー、嫌な作品だったな、マジで(良い意味寄りで)


f:id:ROUTE375:20150910020421j:image

 


母なる証明 Trailers - YouTube

 

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冤罪?で捕まってしまった知的障碍者の息子の無実をはらす為に母が奔走するお話です。

最初は観ているこっちもトジュンの無実を信じてみているんですが、なんのその、事実はトジュンが犯人という。

このトジュンがどこまで現状を理解しているのかがわからなくて、それがやけに怖いです。

本当に自分が殺したことを覚えていないのか、それとも「殺した」という認識がないだけなのか、わかっている上であの演技をしているのか…

アジョンの死体を屋上に置いたのは「アジョンが怪我しているから誰か助けてあげて」ってことなので、アジョンは自分が殺したと思っていないのかな。この理由は浮かばなかったな。

あと、ラスト、母が殺した男の家の跡地に落ちていた母の鍼セットを持ってきて「こんな大事なの落としたらダメじゃないか」って。

母の大事なものだから…ってことなのか、証拠になっちゃうだろ…ってことなのか。

すごいソワッときたわ。

ウォンビンのイノセントな目が怖くて怖くて、キム・ヘジャと似たような目だったな。

 

あと嫌なことを忘れることのできるツボ。やたら何回も出てくるんですが、ラスト母親がこのツボを押して踊りながら他の人に紛れていくという。

結局自分の犯した罪を抱えきれずに忘れてしまおうという弱さと狡さが物凄く後味悪かったです。

そもそもトジュンがアジョンを殺してしまったのは母の「バカにされたらやり返せ、1発殴られたら2発殴れ」という謎の教えによってなので、この結末が本当に胸糞悪いんです。

 

原題は『MOTHER』、そして邦題は『母なる証明』なんですが、決しては「こういう存在が母です」という話ではないです。

ヘジャにとっての「母」の証明ではあるかもしれませんが、決してこれが世に言う母というものではないです。

真犯人として捕まったこちらも知的障碍者?なジョンパルに「両親はいないの?母はいないの?」と聞き、頷くジョンパルを見て泣くシーンとか本当に嫌悪感です。

「あなたに母がいないのなら、あなたが捕まってトジュンにとっての私ほど悲しむ存在はいない」とでも言いたいような。身代わりにしても良しとしようって感じが。

 

あとジンテも一体どういう感じで観ればいいのか。友人というのもわかるけど、でも…うーん…

あ、このジンテ宅にヘジャが忍び込んでセックスも覗き見るシーンとかもう本当に観ていられないくらいの「うへぇぇぇ」感でした。

あんだけのことしといて、金は払ってるもののジンテにすり寄る母の汚さも「うへぇぇぇ」でしたが。

 

いやー…本当に胸糞悪い作品なんですが、主演の演技や伏線の回収の仕方はさすがでした。

とりあえず一見の価値あり。繰り返し観るかは好き好きだと思います。

私は観ないけどね。

 

母なる証明 [Blu-ray]

母なる証明 [Blu-ray]

 

 

人生スイッチ

WILD TALES

2014年制作 2015年公開 アルゼンチン・スペイン 122分 

監督:ダミアン・ジフロン

キャスト:リカルド・ダリン、オスカル・マルティネス、レオナルド・スバラーリャ、エリカ・リバス、リタ・コルテセ

飛行機の乗客たちは、不思議なことに全員に共通点があり…(『おかえし』)

偶然にも自分が働く店を訪れた親の敵に遭遇した女性に、調理担当が料理に毒を入れることを提案する。さすがに毒はと戸惑うが…(『おもてなし』)

ドライバーは走る車もほとんどない道路で、追い越しを邪魔するボロ車を抜き去るが…(『エンスト』) 

 

ってことで結局『人生スイッチ』を観てきました。栄に別件の用事があったのでちょうど良かった。

で、これ。

私的にはアタリに入ります。なかなか面白かった。

『おかえし』『おもてなし』『エンスト』『ヒーローになるために』『愚息』『HAPPY WEDDING』の6つのショートストーリーです。物語同士の干渉はないです。

わかりやすい例えだとストーリーテラーのいない『世にも奇妙な物語』 のような感じなんですが、個人的には『ハリウッド・ナイトメア』の方が雰囲気が近い気がします。ホラー要素のない『ハリウッド・ナイトメア』。

この『ハリウッド・ナイトメア』は中学の時にホラー苦手なくせにハマってVHSに録画しては観ていた思い出。ボックスでまとめてディスク化してくれることを熱望しているんですが、もう出ないんですかね。そもそもこの番組を観ていた人とあまり出会わないから需要がないんでしょうか…

 

話は逸れましたが、ブラックジョークまみれの作品なんでそういうのが苦手な人には向かないと思います。

アルゼンチンでは大ヒットということですが、アルゼンチンの方はブラックジョーク好きが多いのかな?日本では賛否両論別れているようですが、まぁそうだろうなーって感じ。

私としても声を出して笑うような感じではないです。ちょっとクスッとしちゃう感じ。

ああ、また『ハリウッド・ナイトメア』再放送とかでやらないかなー。


f:id:ROUTE375:20150904002134j:image

 


映画『人生スイッチ』予告編 - YouTube

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰の人生にもちょこちょこあるターニングポイント。

「あの時ああしていれば~」的なことは考えればキリがないのにどうしようもない。

そういうターニングポイントで人生のスイッチがものの見事に【不幸】の方に切り替わってしまった人たちのお話です。

「ああしていれば~」と後悔できるだけまだマシかも…と思ったり(笑)

 

まず始まる『おかえし』。

これはあらすじから想像した通りの話で、展開もオチも読めるんですがそれでいい。

冒頭の本当に短い話で何分だったのかわからないけど感覚としては5分くらい?その短い中での掴みとしては上々だと思います。

元カレの人物像が他人から語られる曖昧なものだけでリアルな部分がわからないってのもなかなかです。

 

次が『おもてなし』。

これは個人的には特に…。でも『ハリウッド・ナイトメア』っぽさは強いかも。

結局何故敵の男には毒が効かなかったのか。

他人の入れた毒で心の中では相手が死ぬことを望みつつも、罪を犯すことへの葛藤で揺れる主人公が途中までは良かったんですが、相手の息子が現れたところらへんからイマイチのれなかったかな。

でもラストのおばちゃんのウインクは狂気で良かった。

 

そして『エンスト』。

これが1番ブラックかな。これも『ハリウッド・ナイトメア』をかなり彷彿とさせます。

汚いわ、めちゃくちゃだわで「うーん…」と思ってたんだけど、ラストのしょうもないオチに思わずフッとなってしまった。

最後の車内のもみくちゃファイト中のカーステからのBGMといい、「あぁ」となってちょっと良い印象で終わりました。

 

『ヒーローになるために』

『世にも~』とか『ハリウッド~』でもたまに挟まれるなんか良い話?的ポジション。

主人公がとことんついてなくて不幸になっていくんだけど、この主人公の性格も性格なのであまり同情の対象にはならないかな。

ラストまでタイトルの意味がわからなかったんだけど、「なるほどね」とは思った。

でも結局結果オーライだっただけで主人公が成長して人生を好転させたわけじゃないし、家族も主人公がある種のヒーローになった瞬間手のひらを反す感じはあまり好きではないです。

でもビル爆破のシーンはなかなか。でもあれCGだろうな。そんな費用ないよね。

 

『愚息』

色々と人間の汚い部分の見える話ですが、なかなか面白かったです。

みんなそれぞれが金の亡者で、替え玉・弁護士・検事が相手の弱みにつけこみ出来る限り搾取しようとするんだけど、それに主人公がブチ切れて「もういい!!」ってなった瞬間「あなたに良い条件にしますから」と減額を申し出て来るのとか典型的なクズたちがいっそ清々しい。

でもあのラスト以降を考えるとどうなるんですかね。替え玉の家族はこの件を知らないわけだから主人公一家と弁護士、検事が万々歳で終わるのか…

 

『HAPPY WEDDING』

ある意味1番ぶっ飛んでる話。

『世にも~』でもラストはそれなりに後味良く終わったりしますが、これもそっち系と言えばそっち系。

それにしてもアルゼンチンの結婚式ってこんなに騒々しいのかな?もう結婚式って言うかクラブじゃん(笑)

長年付き合ってきただろうカップルの結婚式に旦那の浮気相手が来ていて、それに気付いてしまった花嫁ブチ切れ、完全に頭の何かが吹っ切れてしまってもう手のつけられない状態に。

自分の結婚式をめちゃくちゃにしていく様はある種の痛快さがありました。

自分に非があった手前、最初はオロオロしていた旦那もとうとうブチ切れ。「訴えるぞ!」とまで言ったもののママに慰められながらさめざめと泣きだす始末。

そんな旦那の姿に嫁は「やばいウケる!これちゃんと撮っといてー!」とぶっ壊れながら笑ってるものの、糸が切れたように呆然とし泣き出してしまう。

そしたらそんな号泣の嫁を見て旦那がいきなり「Shall we dance?」ばりのお誘い。そして嫁もそれに応じて2人は仲睦まじくダンス。

離婚どころか傷害事件だよ、ばりのハチャメチャ結婚式をその場で見ていた来賓も何故か普通に「ヨリ戻ったんだね!おめでとう!もう、人騒がせなんだから!」的祝福。

そしたらその場で新郎新婦はいきなりセックスし始めて来賓が「お熱いことで」的温かい目で退場。

ええええええええええ(笑)

これは笑った(笑)このオチが1番賛否分かれる気もするけど、面白かった(笑)

まぁ結婚なんてある意味ぶっ飛んだ状態じゃなきゃなかなかできないよね(個人的意見)

彼等はいっそこれからは仲良く暮らしていける気がします(生活を変えたくない人間の個人的意見)

私はこれでラスト清々しく終われましたが、このオチが嫌いな人はラストに嫌なものを長々と見せられた…って状態になるんだろうな。

 

 

本当に向き不向き、賛否両論分かれる作品ですが個人的にはそこそこオススメです。

ギリギリで観に行って良かった。

そして9、10月は定期的に訪れる「ミリオン座・センチュリーシネマウェーブ」の時期のようです。

1作観に行くとまた別に観たい作品を知ってしまい、ひたすらどちらかに通うという恐ろしい波。

とりあえず今月はまだ3作は観たい作品があるのでちょっと計画を立てなくては。

ちなみにドラクエはゲルダのもとに向かうところです。まだまだです。

ソナチネ

ソナチネ

1993年制作 日本 93分

監督:北野武

キャスト:ビートたけし、国舞亜矢、渡辺哲、勝村政信寺島進大杉漣

組長の命令により、沖縄にある中松組の抗争の助っ人として舎弟たちと共に沖縄へと出向いた村川。

しかし、抗争は収まるどころかますます悪化。事務所を爆破された村川たちは、海岸沿いの空き家へと身を隠すことになる。 

 

ってことで北野映画4作目『ソナチネ』です。

とりあえずここまではちゃんと観たかった。

「最後のつもりで撮った」と言うだけあって今までの作品の集大成的な出来で、4作の中では1番好きです。

その男、凶暴につき』の我妻と『3-4x10月』の沖縄がミックスされたような感じなんですが、1番バイオレンスで1番コメディだった。

でもバイオレンス過ぎないというか、ドンパチが多い印象はあまりないんですが主人公の中に潜む狂気が1番強く思え、我妻以上に村川が凶暴に思えました。

コメディとバイオレンスが上手いこと融合しているから、だからこそどちらもが強調されて今まで以上のバイオレンス作品の印象を与えてるのかな。

 

映像的にも安定のクオリティでした。

とりあえず国舞亜矢の濡れたノーブラTシャツ姿を「スタイルいいなー、乳でけーなー、めちゃ揺れるなー」としみじみ見てしまいました。

でもTシャツめくるとあんまエロくないんだよね、チラ見せの法則なんでしょうか。


串刺しなナポレオンフィッシュインパクトが好きです
f:id:ROUTE375:20150903002037j:image

 

 


ソナチネ (1993) - 劇場予告編 (Takeshi Kitano) - YouTube

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話としてはあらすじの通り。

すぐ手打ちになるはずの話が、いつの間にかどんどん悪化していく。

でも海岸沿いの家に場所を移したらみんな暇を持て余してバカばっかしてるんです。

紙相撲だの相撲だのリアル紙相撲だの落とし穴だの花火合戦だの。

そこに危機感ってのはなく、みんな適当に楽しく過ごしている。片桐は色々と心配はしているけどまぁ一緒に遊んだり。

観ているこっちとしては「あれ?そんな場合だっけ?」って思うんだけど、結構このバカな時間が続いて、「この感じがなんかいいなー」と思い始めた頃に事態が変わっていきます。時間配分がうまいな。

特に寺島進勝村政信がしょうもないことを言いながら徐々に仲良くなっていくシーンはホッコリするレベルでした。

だからこそラストに向かってバイオレンス要素が強くなっていく時に「うへぇぇ」と思わされるんだろうけど。

 

初期作品しか観ていないのにあーだこーだ言うのはよろしくないでしょうが、北野作品って「どう死ぬか」がテーマみたいですよね。

この4作、主人公が全員死ぬってのもありますが、ただ死ぬだけじゃない。自分の人生をどう終えるか、ここに重きが置かれているというか。

だから「主人公が死ぬ=悲しい」の方程式が当てはまらないんだよね。

他の作品だと主人公に感情移入すればするほど主人公が死んだ時に悲しくなるんだけど、北野作品は感情移入すればするほど主人公が死んだ時に一種のカタルシスを味わうというか。そこに悲劇的な感情はあまりないんだよな。どんなに悲劇的な最期を迎えても。

この作品も村川が最初に言ってた「ヤクザ辞めたい」が死ぬことに結びつくのかもしれないし、「死ぬことを怖がると死にたくなっちゃう」があのラストに結びつくのかもしれないし。

なんだろう、死にたがっているわけじゃないけど、でも死ねたらと思ってる感じというか…なんて言うのか…

年を取れば取るほど語彙力が下がってきてて自分の思ったことを伝える力がだいぶ衰えていると感じます…大学くらいの文章力(と言ってもそれ程ではない)を取り戻したいな。

 

まぁラストに関しては「あの状況で生きて出て来れるのか?」とは思いましたが。でも綺麗なラストになっていたんでオッケーということでしょうか。

次は『みんな~やってるか!』なんですが…どうなんでしょう。でも淀川さんは褒めたっぽいし。まぁそのうちにでも。

とりあえず明日『ナイトクローラー』を観に行こうと思ってるんですが、『人生スイッチ』が明後日までの上映ってことに気付いて『人生スイッチ』にしようか悩んでいます。

『人生スイッチ』はそこはかとなく地雷臭もするんだけど、こういうちょっとやばそうな雰囲気のする作品に弱いんだよなー。2時間超えってのがちょっと引っかかるんだけど…でも『ナイトクローラー』はまだ来週もやってるしね。

『人生スイッチ』観に行ってこようかな。

 

ソナチネ [DVD]

ソナチネ [DVD]