天才スピヴェット
天才スピヴェット
制作2013年 日本公開2014年 フランス・カナダ 105分
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
キャスト:カイル・キャトレット、ヘレナ・ボナム=カーター、ジュディ・デイヴィス
「アメリ」のジャン・ピエール=ジュネ監督、新境地にして最高傑作!
双子の弟が死んだ。
10歳のスピヴェットは、家族の心にポッカリと空いた穴を、小さな体で懸命に埋めようとしたー
モンタナの牧場で暮らすスピヴェットは、生まれながらの天才だ。だが、家族には全く理解されない。
さらに、父親から溺愛されていた自分とは正反対の双子の弟の死で、家族の中に自分の居場所はないと思って暮らしていた。
そんな中、スピヴェットに最も優れた発明に贈られる科学賞受賞の知らせが届く。
始めて認められる喜びを知り、ワシントンDCで開かれる授賞式に出席するべく、家出を決意する。
数々の危険を乗り越え、様々な人々と出会うスピヴェット。そして、何とか間に合った受賞スピーチで、彼はある<重大な真実>を明かそうとしていたー
「フランク」を観た時に予告を見て、観たいなーと思ってた作品。ようやく観に行ってきました。
双子の弟の死、10歳の子が一人旅…ここらへんのキーワードでジュネよりダルドリーが撮ったら私好みのものになりそうだなーと思ってたけど、いやー、ジュネでも良かった!そらそうだ。
伏見ミリオン座では2Dのみの上映だったんですが、これかなり3D意識した作りでしたね。でもジュネ特有のヴィジュアルセンスが発揮されてて見応えあったね。そのおかげで割と深刻なテーマもポップな感じにまとまってたし。
そして、子役のカイル・キャトレット良かった、なんてもの悲しい表情をする子なんだ。ヘレナ・ボナム=カーターは普通のお母さんをやってるともうなんだか凄く濱田マリでしたが。
お父さん役の人も格好良かったな。なんかシュッとしたスティングみたいな雰囲気のある人だったな。
以下ネタバレあり
引用の紹介はフライヤーの文章なんだけど、なんかちょっと内容と違うというか、そんな感じがあったな。まぁ主人公のスピヴェット目線だとそうなのかな?
カウボーイの父、昆虫博士の母、アイドルに憧れる姉というおかしな家族ということだけど、お父さんもお母さんもお姉ちゃんもみんな普通に優しいんだよね。
そういうのに気付けない時期ってのがあるよね、子供の時って。
そしてふとした時に親の気持ちを知ってビックリしたりするんだよね。
スピヴェットはお母さんの日記と、最後のテレビ出演時にそれを知るんだけど。
あと最後のお父さん登場が格好良かったな。
あんなんしたら後々大変なことになりそうだけども。
でも家族や道中で出会う人が良く描かれてる分か、スミソニアン博物館の人とテレビの人が悪く描かれててラスト、スミソニアンに着いてからは嫌ーな感じ。
スピヴェットもそれに気付いてるんだけど、10歳の子供は気付かないと思ってる大人は愚かに見えたな。
道中で出会う人は個性があって良かった。スパロウの話をしてくれるおじさんとか、ヒッチハイクで乗せてくれるトラックの運転手とか。
「きっとマツの木が見つかるよ」ってスピヴェットが言うシーンが好きでした。
「マツの葉じゃスズメを暖めることはできないよ」って言ってたスピヴェットだったけど、人に必要なのは物理的な暖かさだけじゃないってことに気付いたんだろうね。
お母さんが日記の中で「私はお父さんに愛されていないのかもしれない」って書いてあるのを見て「そんなことないよ」って答えるスピヴェットも良かったな。
ってことで家族愛再確認ロードムービーでした。
ほのぼの優しい気分になりたい時にピッタリです。