龍三と七人の子分たち
龍三と七人の子分たち
2015年公開 日本 111分
監督:北野武
キャスト:藤竜也、近藤正臣、中尾彬、品川徹、樋浦勉、伊藤幸純、吉澤健、小野寺昭、勝村政信、萬田久子、ビートたけし
組長を引退したものの、ヤクザの性分が消えないために普通の老人として生きていけない龍三。
そんな毎日に苛立ちを募らせる中、彼はオレオレ詐欺に騙されてしまう。人々を騙す若い連中を許すわけにいかないと、龍三はかつての子分たちを召集して 世直しをすることに。
年齢に関係なくまだまだいけるとオレオレ詐欺のグループを倒しに向かう彼らだが、行く先々でとんでもない騒動を引き起こしていく。
予告が面白そうだったので観に行ってきました。
4日のファーストショーで観に行ったのですが、9時過ぎに映画館に着いたら見たこともない長蛇の列、館外にまで伸びている。
「今日なんか新しい妖怪ウォッチのゲームでも出るんかな」と呑気に思って人混みをすり抜け映画館に…行こうと思ったらこれが映画館の列だと判明。
チケットの購入待ち列がディズニーのアトラクションかってくらいの列…
確実にチケットを買うまでに30分以上かかる…映画間にあわないやん、と思いその場でネット購入することに。
意外や意外、すんなりネットで買えて、発券もめっちゃスムーズに。
そんで劇場に入ったら、空いてる。
3割くらいのお客、ほぼ親世代、50代前後のご夫婦が多かったです。
あのディズニーばりの列は「クレヨンしんちゃん」「コナン」「シンデレラ」狙いのファミリー層だったようで、GW怖えな、と思ったのでした。
ってことで、この映画、コメディとしてはそこそこ。
ドラマ映画、特に北野映画としてはコメントしづらいものとなっております。
コメディ映画として、いつもの如くネタバレはしませんが、後記でちょっとしたネタバレしつつの愚痴でも言おうかな。
とりあえずコメディとしては、何度も劇場内が笑いで包まれた(もともと3割くらいの客ですが)くらいなので、さすがビートたけしだと思います。
そう、北野武ではなくビートたけしの作品として見れば楽しめるかと。
あと、ベテラン俳優陣の演技はさすがでした。
藤さんも勿論、近藤さんと品川さんの演技が良かった。
おじさん好きの私としてはそういう点で楽しめた作品だったかな…
以下ちょいネタバレありの愚痴
(好きな人は見ないほうがいいかもしれません)
言いたいのは、完全に予告詐欺のレベル。上記の紹介文も詐欺のレベルです。
仁義・任侠の古き良きヤクザが今の世の中を正す!それこそ「3匹のおっさん」的なものを想像してたんですが、なんのその、このおっさんたちはそこそこのクズでした。
古き良きヤクザではないかな。いや、そういう部分もあるっちゃあるんだけど、その描き方が微妙。
そして息子の会社を相手に詐欺するし、恐喝も勿論するし、街中で普通に刀持ってるし銃撃つし、バスジャックするし。
古き良きヤクザに謝らなくてはいけないレベル。
最後は世を正すって感じではなく個人的復讐レベルだったし、でも仲間は家族みたいな感じかと思えば死んだ仲間は杜撰な扱いだし。
なんか色々と話の辻褄が合っていない印象を受けました。
ラストも気持ちの良いラストと言えばそうですが、これ以外終わらせ方ないよね、という感じも。
ストーリーとしての部分は予告編で全部って感じです。あとはコメディ要素が詰め込まれてる。
結局予告がうまく出来てるのと北野映画というネームバリューで惹かれましたが、ビートたけしのコメディ番組を見てるくらいの感覚でしょうか。
それなら2時間近くは長いです、正直言って。
コメディとしてはいいんですが、私は観終わってから普通の北野映画が観たくなりました。
久々に「キッズリターン」が観たい。今度借りてこようかな。