忘れることに備える記録

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ゴーン・ガール

GONE GIRL

制作2014年 日本公開2014年 アメリカ 149分

監督:デヴィット・フィンチャー

キャスト:ベン・アフレックロザムンド・パイクニール・パトリック・ハリス、タイラー・ペリー、キム・ディケンズ

 

ニックとエイミーは誰もがうらやむ夫婦のはずだったが、結婚5周年の記念日に突然エイミーが行方をくらましてしまう。

警察によって嫌疑を掛けられ、日々続報を流すため取材を続けるメディアによって、ニックが話す幸せに満ちあふれた結婚生活にほころびが生じていく。

嘘をつき理解不能な行動を向けるニックに、次第に世間はエイミー殺害疑惑の目を向け…

 

観に行ってきました。よりによってクリスマスに1人で、風邪気味なのに。

思ってた以上に空いてたのでど真ん中に陣取って。

いやー、そんだけしてでも行って良かったです。

面白かったー!って感想はなんか違うような気もするけど、良かった!

ベン・アフレックもイケメンやなー。顔でかいけど。女優達が顔小さいのかな?並んだ時に「顔でかー!」ってなったわ…笑

パイクの演技は凄い凄いって聞いてたけど、凄いっすわ。凄いっすわ。

そしてさすがフィンチャー!フィンチャー作品は良作が多いですね。そんなにフィンチャー作を網羅してるわけではないですが。

中高生時代(今もっちゃ今も)ブラピ好きだった私はセブンやファイトクラブが好きでした。

ベンジャミンバトンはテレビでやってたのを録画してたんですが、途中でCMが入るのがなーってことで消してしまいまだ未見。観たいと思いつつ…だいぶ経っちゃったな…

 

ってのは置いておいて。

好みは分かれるかもしれないですが期待を裏切らない作品だと思います。

なんか書こうと思うとネタバレになりそうなのでこのへんで。


映画『ゴーン・ガール』予告編 - YouTube

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

妻の失踪は自分を死刑に追い込もうとする妻の緻密な計画だった。

という話です、ざっくばらんに言うと。

どんどん明らかになっていく妻の計画。

恐ろしいです、途中から「ひぃぃぃぃはよこの地獄終われ!」と思いながら観ていました。エイミーが怖くて怖くて…

なんて女だ!ストックホルムのモニカも嫌いなタイプでしたが、そんなん可愛いもんすね。

マスメディアの対応もいかにもアメリカっぽいです。私は根っからの日本人なんでああいう感覚はイマイチわからないのですが。

集団心理とはまた違う、なんて言うのかね、あれは。

 

そんな感じでエイミーを恐れながら鑑賞していくのですが、途中からなんかうまく言葉にできない感覚を覚えました。

ちょうどニックが自分の言葉でテレビに出た辺りから「ん?あれ?」っていう不思議な違和感を感じ始める。

エイミーはデジーの別荘で食い入るようにそのテレビを観るんです。その表情がなんとも言えない。これは夫を憎み嫌い死刑にしようとしてる妻の表情ではない。

それからエイミーはニックの元に帰る為に偽装を始めるんだけど、「出た出たまた偽装…」と思いながら観てるとデジー殺害…ああ、本当に殺してしまうのか…そういやこの映画R15だっけ、ああ、このシーンか…と。

私の中ではまだエイミーは賢い女だったから殺人の罪は犯さないと思ってたんだけど、それがアッサリと殺しちゃうんだよね。

ここらへんでさっきの違和感が何かわかり始める。

 

私は【ニック→エイミー】の関係を頭の中に描いてたのです。

勿論ニックがエイミーに愛想尽かしてるのもわかった上で、でも出会いから結婚生活においてエイミーは主導権を握っていたかのように見えるんです。エイミーの偽日記も手伝って。堕落していくニックにエイミーは愛想を尽かせて、それがよりニックを浮気とかに走らせていたと…。

そうです、私は完全にニックの味方でした。

勿論ニックが被害者というのもあるんですが、エイミーを我儘で高飛車なプライドが高い鼻につく女(ここまで具体的には思ってませんでしたが)くらいに思ってたのです。自分で捨てておいてニックのとこに戻ってくるなよなー、死刑にしようとした癖にって。

でも【エイミー→ニック】だってことにここら辺で気付くのです。

しかし映画はまだ進んでいく。とりあえずラストまで観てから、帰り道に悶々と考えてみました。

ニックは自分の無実を晴らす為にエイミーを探します、エイミーに優しい振りをします。そうです、実際映画内でニックがエイミーに心から惚れているシーンなんて殆どないんです。あったとしても出会ってからの少しでしょう。それすらモテ男の気まぐれで片づけられそうなものです。

そう、このニック、非常にモテ男です。

考えてみれば映画内の女性は大抵ニックの味方です。

双子の妹のマーゴー、愛人のアンディ、女刑事もニックを黒となかなか決めない。

そして私もニックの味方でした。くそ…イケメンにやられた…顔がでかくてケツアゴなのに…!

つまりエイミーがニックに惚れて惚れて惚れているのだな、と。

多分ミズーリに来た辺りからエイミーはおかしかったのでしょう。

自分から離れていくニックを許せなかったのでしょう、好きだから。

 

ニックに騙されてた!と思ってからは本当一気にこの映画を観る目が変わりました。

ただのヤンデレスリラーではないです。

特にラスト、この後最低でも18年続くであろうニックの地獄を想像しましたが、実際はどうなんでしょうか。

今は子供で繋ぎとめても、ニックは同じことを繰り返します、きっと。

だって彼はもうエイミーに愛情がないですし、もともとそんなになかったですし。

それでも彼を手に入れたいエイミー、そうです、この映画のタイトルは「GONE GIRL」

失踪した女、ぶっ飛んでる女、そんな感じで訳せそうですが、gone onで惚れているという意味もあります、多分。英語は苦手です。

ニック視点では過去の女、と訳してもいいのかもしれません。

 

とりあえず映画の感想です。原作も売れているようですが、読んでみようかな。

この感想は全くの的外れかもしれないし…

でも洋画の原作といえば「ぼくのエリ」を観て釈然としない部分が多い為に「MORSE」を読んだんですが、謎は解けたもののあまりに合わなくて苦労したのでイマイチ手が伸びない。

 

ちなみにこの映画で1番好きなシーンは、エイミーがデジーの別荘から血まみれフラフラで帰ってきてニックに駆け寄り、感動の再会をしながらもニックが耳元で開口一番「このクソ女」的な(Fuck you,bitchでしたかね)ことを言うシーン。

ニックは本当格好良いですな。


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