忘れることに備える記録

観たり・聴いたり・読んだり

ピエロがお前を嘲笑う

WHO AM I

2014年制作 2015年日本公開 ドイツ 106分

監督:バラン・ボー・オダ―

キャスト:トム・シリング、エリアス・ムバレク、ヴォ―ダン・ヴィルケ・メーリング、アントニオ・モノ―・Jr.、ハンナ―・ヘルツシュプルンク

世間を震え上がらせたハッキング事件を起こし、さらに殺人容疑で追われる天才ハッカーベンヤミンが警察に出頭してくる。

ハッカー集団「CLAY」に加担して盗んだ情報によって殺人事件を引き起こしてしまい、今度は自分が狙われていると告白。

その自白を基にベンヤミンの身辺調査に着手した捜査員は、不可解な事実を次々に見つけ出す。 

 

ってことでセンチュリーシネマで観賞。

最近はスクリーン2が多かったんですが、久々に1だったな。そして観客も平日の昼、しかもドシャ降りにしては多かったな。

「100%騙されるマインドファックムービー」という謳い文句に惹かれ観たんですが、何度も言うように「傑作叙述トリックミステリー」という謳い文句がネタバレのように、これもネタバレですよね。でもそれでも騙せるという自信があるのかな、とも思ったのですが、結果とすると「うーん」となったかな。

映像とか見せ方的には結構ワクワクできた部分もあるんですが、『ユージュアル・サスペクツ』『ファイト・クラブ』『ソード・フィッシュ』らへんをミックスしたような印象を持ちました。ちなみに私が買った市販VHSは3本なんですが『燃えよドラゴン』『ファイト・クラブ』『ソード・フィッシュ』の3本でした。中高生にはVHSは高かったんだよね。

 

ってことで、そこそこは面白かったけど期待以上ではないちょっと肩透かしを食らった感のある作品でした。私はアノニマスについて聞いたことあるくらいで知らないしな。

でもトム・シリングは『コーヒーをめぐる冒険』とは印象がだいぶ違っていて思わずジッと見てしまった。ヒロインの女の子以外のキャストはなかなか好きでした。ヒロインの子はなんか…顔も性格もどこにそんなにベタ惚れ要素があるのか最後まで謎でした。


f:id:ROUTE375:20150919230255j:image

 


このトリックを見破れるか!?映画『ピエロがお前を嘲笑う』予告編 - YouTube

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主人公が出頭して自白していくところから話が始まるんですが、終始主人公の自白で進んでいくので、そもそも観客がこの主人公を信用できないと物語として成立しないと思います。

今時「主人公の言うことは絶対」という暗黙ルールなんて崩壊していると思うので、もっと主人公に感情移入できるようなエピソードがあればな、とは思ったけど…

そしてフェアさを出そうとしたのか、主人公に裏がありそうな感じを匂わせてくるので綺麗に騙されることもなく。

 

映像はアングラな世界観を出していて「ちょっとやり過ぎ(笑)」と思ったけど良かったな。

でも主人公がそのアングラな雰囲気が似合わなくて、オチとして多重人格で全部1人でしたって言われても全然しっくり来なくて、大オチで逆にスッキリ納得って感じになる微妙な感じに。

そもそも角砂糖の手品の時点で「4つを1つに見せかける」トリックを披露しているから、フェアというより手の内を見せすぎな気もしたけど。

あと『ファイト・クラブ』のポスターがデンッと貼ってあったり。

親切を通り越して「んん?」となるレベルだったけど…

 

まぁ全体を通すと100分ちょいの作品としては綺麗にまとまってたとは思いますが。

あれだけ煽っておいた割にオチが弱いと思うけど。

とりあえずハリウッドリメイクされたら観たい。どう変えてくるのかが気になる。

あとダサいと思った邦題が「Clowns Laugh at You」を訳したものとわかって少し納得した。『WHO AM I』だとちょっと目を引かないしね。

 

これだけ煽られずに、期待せずに、もっと何気なく観てたらもう少し楽しめる作品だったなって感じです。

 

フライヤーの作りはなかなか面白かったのにな。

↓このフライヤー、タイトルが書いてないなと思ったけど 

f:id:ROUTE375:20150919230311j:plain

↓横から見ると…


f:id:ROUTE375:20150919230325j:image