KILLERS
KILLERS
2013年制作 2014年公開 日本・インドネシア 138分
監督:モー・ブラザーズ(ティモ・ジャヤント、キモ・スタンボエル)
キャスト:北村一輝、オカ・アンタラ、高梨臨、ルナ・マヤ、黒川芽以、でんでん、レイ・サヘタピー
日本――インドネシア 狂気は伝染する
生活感をまったく感じさせない部屋に女を連れ込んでは殺害し、その様子を余すところなく撮影する野村。一方、ジャカルタで政治の腐敗や不正を人々に知らしめようと奮闘するフリージャーナリストのバユは、動画サイトにアップされていた殺人映像を目にする。目を覆いたくなるほどむごいものだが、目を向けずにはいられない美しさを誇る、その映像に魅了され、彼は殺人に手を染めるように。
東京とジャカルタ、遠く離れた場所に暮らす彼らだったが、次第にその距離を近づけていく。
「ザ・レイド」を観てから観たい観たいと思ってた作品。
モー・ブラザーズ監督ですが、総指揮はギャレス・エヴァンス。しかも「ザ・レイドGOKUDO」のオカ・アンタラ。その上「冷たい熱帯魚」「凶悪」のプロデューサー陣。そして北村一輝!
こりゃ気にならないわけないね!
ようやく利用してるGEOの配置を把握し始めて見つけることができました。ないなーってずっと思ってたよ…
で、観た感想としましては…
俳優陣の演技の点では個人的に超満足!
でもストーリー的には微妙…画としては良いとこも悪いところも。暴力描写はそこまで。R18ということでそういうのを期待して観るとガッカリするかもしれません。
私はグロさは別に求めていない(あってもいいけど位)のでそこに不満はないですが。
俳優陣に惹かれて観るのなら間違いないと思います。
ギャレスの作品?R18?グロいの?ワクワク!的な方にはあまりオススメしないかな。
2/1(土)公開『KILLERS/キラーズ』劇毒予告 - YouTube
以下ネタバレあり
始まってすぐ女の子との濡れ場。しかしこの濡れ場いるのかな?
最初は快楽殺人者的な印象を持ったけど。
シスコンをこじらせたサイコキラーなら濡れ場いらないんじゃないかなーとも思ったり…その後の殺人には濡れ場っぽいのは特に映らないしな。
まあそんなのは置いておいて。
この最初に殺される女の子の逃走シーンは良かった。ひいいいいってなりながら観ました。からの袋被せられてイスに縛り付け、北村一輝が変なマスク被って出てくるとこは怖かったんだけど、殺し方がめっちゃアッサリ。数発殴って終わり。
それでいいの…?
いや、いいんだけど、でもオカはその映像を観て「美しい!俺も…」みたいな感じになるわけじゃん?(明言はしないけども)いや、これじゃならないだろ。
公式サイトに
『羊たちの沈黙』のレクター博士や『セブン』のジョン・ドウに匹敵する、サディスティックな残忍さと独自の美意識を貫く殺人鬼でありながら~
ってあるんだけど、個人的にレクター博士と一緒にしないでいただきたい。いや、この野村というキャラは良かったんだけども(笑)ホプキンスのレクター博士には思い入れがあるからね。そういやアメリカのドラマの「ハンニバル」ってどうなんだろ。ホプキンスじゃないレクター博士なんて…って思ってたけどやっぱ観てみようかな。
って、また話が逸れた。とりあえず殺人に対する美意識ってのは特にないように思います。
こじらせにこじらせたシスコン(ラストで姉のミイラを自宅に所持してることが判明)とスナッフビデオの撮影に繋がりはないと思うんだけど。
まぁあまり深く突っ込んじゃいけないですね。
で、オカ。オカはムーディー勝山を現地の人っぽくした風貌。
オカは「凶悪」の山田孝之的存在かな?ちょっと違うんだけど。大物政治家の悪行暴露に失敗して家族と距離を置き、その政治家に執着していく。
そんな中何気なくみた北村一輝のスナッフビデオが気になり、たまたま強盗に襲われたまたま強盗を殺しちゃった時に何気なく動画を撮ってサイトにアップしてしまう。
私としてはこれは北村一輝のスナッフビデオの美しさに心奪われ、じゃなくて、北村一輝のスナッフビデオの再生数・コメント数に、ジャーナリストとしての「注目されたい欲」を重ねたのかなって思ってたんだけど。でも公式の説明があれだし。
で、このオカ。その動画を普通にサイトにアップ。で、北村一輝がIPを割って直接連絡を取ってくる。「IPくらい変えろ」ってアドバイスをくれるわけだけど、その前に警察来なさいよ…まぁね、あまり細かいとこに突っ込んじゃいけないよね。
そして次は恨むべき大物政治家の弁護士を狙うことに。一応彼は悪を匿う悪なわけですし。でも家に乗り込んでみると彼は小児性愛、しかも拉致監禁ってことで正義の鉄槌を下し、再び動画アップ。1番の狙いの政治家の場所も聞きだし、よっしゃ!やったるで!な感じになりつつも家族はどんどんバラバラに。オカの精神が不安定になってきてるんですよね。
そして次に罪のない政治家の息子をうっかり殺してしまったところでオカの均衡が崩れてしまう。自分のやってること、北村一輝のやってることに何の正義も含まれていないことに気付いたのか、もうやりたくない、となる。
しかし北村一輝はそんな彼をまだ自分の仲間だと思ってる。「最後に残るのはお前と俺だ」とまで言うんだから。
北村一輝が姉を重ねていた高梨と言い争い、戦うシーンも良かったです。
北村一輝は殺しのシーンになるとまさに狂気、な感じなんですが、精神的に不安定になるとボソボソ喋るのが怖かった。黒川を最初に家に連れて行こうとして姉を思い出して不安定になった時の「ごめん…ごめん」みたいなのも怖かった。二面性があり過ぎて。
で、こういう時にボソボソ喋るから聞こえなくて音量大き目にしておいたんだけど、BGMは大き目に設定されてるからめっちゃうるさくなる…(笑)いっそ字幕でも出せば良かったと思うくらい。
ラスト、ジャカルタまで北村一輝が来た時は「なぜ来た!」と私も思いましたが、奥さんがオカの部屋を掃除してる時に窓の外に映る北村一輝らしき人影(ピントは合わない)にゾッとしたわ。
で、奥さんを殺したことを攻めるオカに「なかなか強かったぜ」的なことを笑顔で言うとことか、大物政治家のレイとオカを殺し合いさせてオカがレイの首を絞めるところで娘の目隠しを取るとことか、ナチュラルに狂ってて北村一輝こえー!ってなった。
でもその後、娘も殺してオカと2人で「オレら仲間だろ、一緒にやってこうぜ」的な雰囲気のとこらへんから急に「うーん…」って気分に。
オカが北村一輝にしがみついてきたときに「ああ、これは龍が如く3のパターン…」と思ったらまさにそれ。
そして落ちるシーンは3度見くらいはするレベルのCG。ジャカルタで撮影したとしてもCGは日本で作成とかして、いや、ジャカルタでももっと良い感じにできるだろ、と思ったとこで「ああ、これはもしやコメディバイオレンス映画だったのかな」と思える程の。
ちょっと一気に冷めたわ(笑)
でも2人が落ちて北村一輝がまだギリギリ生きてるのを子供たちが見て「助けを呼ぼう」って走ってくんだけど、1人の子だけ行かずに携帯で動画録り始めるんだよね。
そこでようやくちょっとだけ「うまいことまとめたな」って思ったんだけど、ラストのラストに北村一輝が「カット」って言うのが蛇足過ぎる、いや、冒頭で「アクション」って言ってたからそれに呼応してるんだろうけど…いらんやろ。
まぁ人の生き死にを気軽に録画してアップする(交通事故現場の野次馬とかね)世の中に警鐘を鳴らすというテーマは遂行できてたのかな?
老人から子供まで気軽にネットが使えて、そのネット上には人の死に様が何気なくゴロゴロしてる世界ですからね、そういうのにあまり触れているといつの間にかそういう狂気に感染しちゃうのかもしれないですね。
そういや話はちょっと戻るけど、中・高時代は「羊たちの沈黙」にハマってからサイコ系サスペンス系映画が大好きでそういうのばかりレンタルして観てたので、母に「そういうのばかりレンタルしてると何か事件を起こした時にレンタル履歴見て、やっぱり、とか言われるんだよ」って言われたことある(笑)起こさないよ、事件(笑)
ってことでストーリーとしてはツッコミ所多くてうーん、なんですが、北村一輝の狂気演技(とオドオドしてる時のギャップ)とオカの目が覚めてからの葛藤演技は見応え十分です。
北村一輝は日本が誇る狂気演技俳優の1人ですね。ここ最近は猫侍の印象だったけど…。ちなみにツレは「北村一輝とROLLYって似てるよね」って言ってますが。
ちなみに好きなシーンは北村一輝が職質を受けてるシーン。
特に警察官2人がパトカーでこそこそ話してる時に後ろでピント合ってない状態で行われる北村一輝と黒川芽以の一悶着。「いや、警察気付けよ(笑)」と思いつつも良いシーンだったな、あれ。
あとラスト、龍が如く3の前に北村一輝がオカに向かって言う一言。
「お前ガッカリだな!」
なんか堪らんかったです(笑)
あと「いる?」って感じで出てきたでんでん(笑)びっくりしたわ。
あ、ちなみに最近だと週に3本くらい観てるんですが、ようやく龍が如く5を始めたので少し観るペース落ちるかもです。
ずっと手元にはあったんですが、5が終わると終わっちゃうんだなーと思うと寂しくてなかなかプレイできなくて(笑)
でもそろそろ0が出るんでようやくプレイすることにしました。
まだまだ観たいもの沢山あるので週に1本は観ますが。
本当は「友よ、さらばと言おう」が借りたかったのに借りられてたしな。
あと劇場では「ルームシェアウィズヴァンパイア」を観に行こうかなと思ってます。あと来月になったら「イミテーション・ゲーム」も。
話題に出したら久々に観たくなったから「セブン」も今度借りてこようかな。