忘れることに備える記録

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セブン

SE7EN

1995年制作 1996年日本公開 アメリカ 127分

監督:デヴィッド・フィンチャー

キャスト:ブラッド・ピットモーガン・フリーマングウィネス・パルトローケヴィン・スペイシー

退職を間近に控えたベテラン刑事サマセットと若手刑事ミルズは猟奇連続殺人事件の捜査にあたる。

犯人はキリスト教における7つの大罪に基づいて殺人を繰り返していることが明らかに。やがてサマセットとミルズは容疑者を割り出すが、その人物に逃げられ、さらにミルズの素性が知られていたことも発覚する。

そしてさらなる殺人事件が続いた後、驚愕の事態が…。 

 

「KILLERS」を観た時に久々に「セブン」も観ようかな、と言ってたので借りてきました。

で観始めたんですけど…なんか見覚えがない…あれ…?となりまして。

いや、でもジョン・ドウとかには覚えが…でも私の思ってたシーンは全く雰囲気が違うぞ…あれ、もしかして私「ジョー・ブラックをよろしく」とごっちゃになってる…?だってブラピの役がもう少し品があったような…

と脳内パニックを起こしながら、いい!とりあえず観ればわかるさ!と開き直って新しい気持ちで観ることに。

フィンチャーらしい良作ですね。私の中でフィンチャーは傑作ではなく良作を作る人というイメージ。勿論私の好みの話です。ちなみに1番好きなフィンチャー作品は「ファイトクラブ」、当時VHSを持ってました。時代を感じる…

グロいとか後味が悪いとかよく言われますが個人的にはそこまででも。でもジョン・ドウに関するスチールとかノートとかの小物系は凄くいい恐怖の対象として作り込まれていて、OP部分が1番恐怖を煽られたと思います。

あ、勿論これは作品自体を貶してるわけでは全くないです、先ほどもいったように良作です、間違いなく。これがもう20年近く前の作品なんだもんな、フィンチャー凄いわ。そして私は実は観てなかったのか20年という歳月で完全に忘れ去ったのかは謎…

↓日本版のポスターはなんかダサい感じなので海外版で。
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映画「セブン」日本版劇場予告 - YouTube

 

 

 

以下ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

「KILLERS」でレクター博士とジョン・ドウと野村を一緒にしてあるような紹介を見て野村は違うと言いましたが、ジョン・ドウもレクター博士とは違うね。

とかあまり言ってると私がレクター博士ラブなイメージが強くなってしまいそうですが、なんて言うか根本的なとこが違うよね、3人とも。

ただの猟奇的殺人者という枠だけでくくると観る側にも不親切だと思う。

 

で、このジョン・ドウは7つの大罪になぞらえて罪人(だと思われる人)を殺していくんだけど、

貪食→スパゲティに埋もれたおデブさん

貪欲→弁護士

怠惰→犯罪者のアラン

色欲→売春婦

傲慢→モデル

嫉妬→ジョン・ドウ

憤怒→デビット

ってことなんでしょうが、なんか疑問残るよね。

あ、1番好きなのは傲慢の方の事件です、ああいうの好き。

 

私は観てて序盤で「犯人はサマセットのパターン!」と思って観てたのですが、だってそれしかないような感じするじゃないですか。結構言動というか、やってることに違和感残ったりするし。

でもジョン・ドウが登場して「なーんだ、叙述トリックとかの読み過ぎかなー」なんて軽く、間違えちゃった☆くらいの気持ちでいたんですが、ラストまで観たらやはり「これサマセット噛んでるだろ」と思うんだけどな。

デビットに「何もするな、見てるだけにしてろ」とか言う割にはわざわざコピーとかまでとってヒントを与えるし、この事件から降りるという割にはいつの間にか積極的に関わってくるし、FBIのも怪しい限りだよね、デビットの疑いの気持ちからうまいこと話をすり替えたってイメージを持ったし。後にデビットがそこらへんの人を金で買収して偽証言をさせるシーンがあるけど、つまりあれも偽FBIを金で雇った形じゃないのかなーって。図書館の貸し出しとFBIの話が本当だとしても、それを知った上でカード無しで図書館を利用してるサマセットなんて疑ってくださいって言ってるようなものな気が。トレーシーの悩み相談の答えもラストに持ってく振りじゃねーの?的な。

まだ色々と「ん?」となるところはあったけど、1番「おいおい、お前噛んでねーか?」となったのはラスト、ジョン・ドウがデビットに「トレーシーは妊娠してるからって命乞いしてきたぜ」と伝えて、狼狽えるデビットを見た時に「He didn't know」って言った時。まぁサマセットが殴ったから=サマセットは知ってるって判断したって解釈もできるけど、そんなら「You」でもいいんじゃないか、と。わざわざサマセットに対して「彼は知らなかったのか」って話しかけるところに違和感。

つまり情報を流してたのはサマセットではないかと。だっていくら金貰っても理由もなく同僚の住所をジャーナリストに流すか?と、しかもデビットは越してきたばかりだから調べないと住所なんてわからないだろうし、そこまでする?でもサマセットなら家に来たことあるから…と辻褄が合う気がするんだけどな。

サマセットって結構病的に描かれてたし。普通枕元にメトロノームとか置かないし。急にそのメトロノームぶっ壊すし。朝の準備のシーンも持ち物を几帳面に並べてあったり、服も綺麗にセットしてから着てるし、未公開映像では退職後住むだろう家探しをして目ぼしい家の壁紙の一部を切り取って持ち歩いてるし、なんか一般的なサイコ系犯罪者のイメージで作られてる気がしてならない。

あ、あと未公開集の別エンディングだとトレーシーの首が送られてきた場面でサマセットちょっとニヤリと笑ったよね、ゾッとしたわ…

 

7つの大罪に当てはまる罪人たちを始末するといった目的を持ってる割にはそこに自分を入れ、しかも自分の死=別の罪人の確立とするのは違和感が残るんだよね。

ってことはジョン・ドウとは違う目線でその罪人たちの処罰を見てる存在がいるんではないかなーと思ったわけですが、まぁ私の勝手な解釈なので気を悪くした方がいたら申し訳ないです。

 

ネタバレとか書いた割にはただ自分の解釈をダラダラ書いただけですみません。

とりあえず個人的好きなシーンは、ジョン・ドウと3人で死体がある場所に行くぞって時の胸毛を剃っているシーン。

デビットの「乳首を切り落としたら労災出るかな?」でまず笑ったのに、それに対するサマセットの切り替えしの「本気で請求したら私が新品を買ってやる」が秀逸だった(笑)

こういうアメリカンジョークはすごく好きです。

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